校長です・・・、校長です 548 【てるみちゃん】
- 公開日
- 2015/10/15
- 更新日
- 2015/10/15
校長室から
校長です。ラグビーのラインアウトをご存じですか。
校長です。サッカーならスローインです。
校長です。ボールが外に出た後に、両チームでライン作るのです。
校長です。そして、このラインの真ん中の線上に投げるのです。
校長です。でもほとんどが投げた方のボールになるのです。
校長です。サインプレーで最初から受ける人を決めているからです。
校長です。ボールを投入するプレーヤーをスローワーと言います。
校長です。このスローワー、大きな声で暗号を言います。
校長です。例えばボールを受ける彼の出身県などです。
校長です。「愛知県いきます」で、周りはみんな誰かわかるのです。
校長です。他のプレイヤーはフェイント要員と支え要員なんです。
校長です。高校時代の話です。
校長です。付き合ってる彼女の名前をよぶスローワーがいました。
校長です。「明美ちゃん、いきます」と。
校長です。ラインもみんなで「ハイ、明美ちゃん」と答えます。
校長です。全国大会予選の緊張の試合の中でもこのように言うのです。
校長です。明美ちゃんも光栄なことです。
校長です。これで誰がボールを受けるのかチームの仲間だけはわかります。
校長です。明美ちゃんの彼はゼッケン4番の彼と誰も知っているからです。
校長です。ただ2回と同じことは使えないのです。
校長です。明美ちゃんは4番と相手チームも知るからです。
校長です。だから明美ちゃんは1回の出番です。
校長です。それでも4番の彼に投げたい時があります。
校長です。ここで暗号を変えるのです。
校長です。「お弁当いきます」と。
校長です。明美ちゃんが彼にお弁当を作ってきたからです。
校長です。全国大会予選でみんなで「ハイ、お弁当」です。
校長です。暗号番号のチームも多いです。
校長です。例えば「2312」と言ったとします。
校長です。2312と言ったなら後ろ二つをたして3となるのです。
校長です。ここで3番の選手がボールを受けるのです。
校長です。どこをたすのか前もって決めておくのです。
校長です。個人的には彼女の名前や弁当の方がいいです。
校長です。緊張感も溶けて、安心感が感じられるのです。
校長です。大会でスローワーが「てるみちゃん」と言って投げたのです。
校長です。てるみちゃんとは一人の選手がふられた彼女の名前です。
校長です。その選手が忘れようとしても忘れられない彼女です。
校長です。それでも言われた選手はボールを捕らなければいけません。
校長です。スローワーの彼はどこまで全国予選を楽しんでいたのでしょう。
校長です・・・、校長です。