学校日記

校長です・・・、校長です  910 【一杯の牛鍋丼】

公開日
2017/01/20
更新日
2017/01/20

校長室から

校長です。忘れもしないことがあるのです。
校長です。夜7時頃、吉野屋さんに入ったのです。
校長です。妻が実家に遊びに行ってしまったからです。
校長です。いつもの牛丼、玉子、味噌汁の定番の注文です。

校長です。この時間帯は吉野屋さんは少ないお客さんです。
校長です。ふつうは家庭団らんで夕食の時間だからです。
校長です。何かの事情がある方が多いと思うのです。

校長です。食べていると隣にお父さんと娘さんがみえました。
校長です。娘さんは保育園の年長さんか1年生ぐらいです。
校長です。二人はメニューを見て注文されたのです。
校長です。それは牛丼でなく、もっと安い牛鍋丼の大盛りひとつでした。
校長です。彼女は幼いと言っても、一人前は十分食べられるはずです。

校長です。二人、分け皿をもらい、分け合って食べてみえました。
校長です。お父さんが「もっと食べろ」と娘さんに勧めてみえます。
校長です。娘さんが「お父さん、たくさん食べてね」と。
校長です。彼女、小さな手で分け皿の上をおおいました。

校長です。娘さん、お腹がいっぱいだったのでしょうか。
校長です。なんとなく遠慮した言葉に聞こえました。
校長です。吉野屋さんは元々、笑顔が少ないところとは知っています。
校長です。でも、こんな淋しい食事風景は辛いです。
校長です。二人の会話に聞き耳を立てずにはいられなかったです。

校長です。昔、“一杯のかけぞば”という話が話題になりました。
校長です。今は日本は不景気からの脱出と言われてます。
校長です。しかし、みんながみんな豊かとは思えないのです。
校長です。“一杯の牛鍋丼”ではなかったこと祈っています。

校長です・・・、校長です。