考えをつなぐために
- 公開日
- 2015/04/14
- 更新日
- 2015/04/14
校長日記
日本の学校では、職場内研修を行っています。
その研修を現職教育と呼んでいます。
この制度は、世界的にはとても珍しく、欧米各国が参考にしようとしてるほどです。
布袋小学校の現職教育では、児童により、考えの「練り合い」をさせたいと考えています。
そのためには、まず、子ども同士が、意見をつなげなくてはなりません。
しかし、伝統的な日本の授業は、上の左図のように、先生の質問に答えることで進めてきました。
この形を、一般的に「一問一答式」といいますね。
クイズ番組の多くがこの方式です。
しかし、これでは練り合いはできません。
将来、社会に出て、多くの問題を解決する力は、一問一答式では培うことはできません。
他者と議論をして、合意形成をしなくてはいけないのです。
どうすると右図のようになるのか?
はじめは、教師がつないでやり、つながることの楽しさを体感させてあげるのです。
そのために、次のように提案されました。
児童の考えをつなぐ教師の支援
集団読みは、児童が意見をつなぐ中で練り合っていく。しかし、つなぎ方を知らない集団は、グループでもつなぎ合えない。まずは、教師がリードして「考えをつなぐ」経験をさせ、意見が深まる喜びを体感させたい。
児童をつなぐには、次のような言葉かけが考えられる。
・ 「今のAさんの意見をどう思う?」
・ 「だれか、Bさんを助けてあげて」
・ 「今、Cさんなんて言った?同じでいいから、自分の言葉で言ってごらん」
・ 「まわりと相談してごらん」
・ 「これがわかる人、答えでなくヒントをいってくれる?」
・ 「Dさんに賛成の人は」。手を挙げたEさんに「Eさんはどこでそう思ったの?」
また、「つなぎ」を意識させるためには、「つなぎの話形」が有効である。
・ 「○○さんや○○さんと同じで〜です。理由は・・・だからです」
・ 「○○さんと違って〜」
・ 「○○さんの意見を聞いて考えが変わりました。それは・・・」
・ 「○○さんに付け足します。」
・ 「○○さんに質問します。」
・ 「まとめると○○になると思います。」 など
ある程度定着したら、つぎの手を打ちたい。
・ 話形を超えた言い方をした児童を誉める (以下略)
具体的な提案です。
学年の発達段階にもよりますが、授業参観の折には、児童がつながる姿、つながろうとする気持ちにご注目ください。