【校長日記】 思考力を育てる −1−
- 公開日
- 2015/06/27
- 更新日
- 2015/06/27
校長日記
来迎寺小学校の研究に関連して、「思考力」について考えます。
「思考力」とは何か?
もちろん「考える力」なのですが、それでは「考える力」とは何か?
みなさん、まずは考えてみてください。
ここからは、意見としてご理解ください。
(少し長くなりますよ。)
比較的、まとまっているのは、新学社のサイトです。かなり古い記事ですが、基本的に今でも通用すると思っています。私もほぼ同じように考えていますので、引用しながら進めていきます。
http://www.sing.co.jp/school/practice/forum10-2.html
次のように述べています。
思考力は考える力であるが、それでは「考える」とはどんな働きであるか。心理学では、思考という働きは、観察や記憶によって頭の中に蓄えられた内容をいろいろ関係づけ、新しい関係を作り出す働きとみなされている。
簡単にいうと、点である知識をつないで、線や面にしていく働きです。
「思考する力」とは、「知識を関係づける力」ということになります。
その関係を見ていきましょう。
概念作用
難しい言葉ですね。でも、ここであきらめないで!
二つ以上のものの特徴を比べ、似ているところを取り出す働きを抽象作用といいます。
例えば、わが家の犬はパピヨンです。アルプスの少女ハイジに出てくるヨーゼフはセントバーナードです。大きさも賢さも全く異なりますが、抽象化すると、同じ犬になります。この「犬」というイメージが概念です。
おにぎりと三角定規は全くの別物ですが、抽象化すると、三角形という概念になります。
今、頭に三角形をイメージしたあなた。すでに思考(関係づけ)をしているのです。
判断作用
次のように説明しています。
二つ以上の概念の間の関係あるいは概念とその属性との間の関係を定め、その関係が正しいか否かを断定する働きである。
「鉄は金属である」
これが判断です。鉄は、見るからに金属に見えますね。
「水銀は金属である。」
液体ですが、電気を通す性質から「金属」と判断したのです。
「レモンは金属ではない」
電極を刺すと電流が流れますが、明らかに金属ではありませ。
電流だけがが金属の条件ではありません。
これらは思考した結果なのです。
「あなたは人だ」「あなたは優しい人だ」
似たような文ですが、内容のレベルは全然違います。
「優しい」とする根拠があったのでしょう。
これも、判断です。
それでは、次はどう判断しますか?
「今年のドラゴンズは強いか弱いか」
「最下位だから弱い」、「エラーが多いから弱い」、「抑えが打たれるから弱い」それぞれ判断です。
なかには、「シーズン前の予想よりは弱くない」という人もいるかもしれません。
それも思考なのです。
明日に続きます。