【校長日記】 思考力を育てる −2−
- 公開日
- 2015/06/28
- 更新日
- 2015/06/28
校長日記
なでしこの試合が始まりました。
さて、来迎寺小学校の研究に関連して、思考力について考えるシリーズ第2弾。
「推理」「推論」について考えます。
名探偵はあれこれ推理しますが、基本は次のものです。
よく知られている事実と事実との関係から、一つの結論を導き出す働きです。
次の3つがあります。
演繹推理
言葉は難しいのですが、みなさん普通にやっています。
すべての生物には寿命がある。私の家のパピヨンは生物である。だから、私の家の犬もいつかは寿命が来る。
一般的は判断から、特殊(個別)な判断を導き出す方法です。
帰納推理
今の逆で、いくつかの特殊(個別)な判断をから一般的判断を導き出す方法です。
鉄は電気を通す。銅も電気を通す。鉛も電気を通す。
鉄も銅も鉛も金属だ。だから、金属は電気を通す。
類比推理
もう一つ。類比というものがあります。
あの姉妹のうち、姉は、料理が上手で、音楽が得意、字もきれいだ。妹も料理が上手で音楽好き。きっと、きれいな字を書くのではないか。
あくまでも推理なのですが、多くの条件が一致するので、他のことも一致するのではないかというものです。
創造力
今、企業では、創造力のある人が求められています。
「創造力」:新しいものを創り出す力です。
思考でいうと、創造的思考力(生産的思考力)ともいわれるます。
どんな人が、創造的思考力が高いのか。
それは、思考の流暢性、柔軟性、独創性です。
流暢性は、考えをすらすらと作り出す力
柔軟性は、いろいろの角度から柔軟に考える力
独創性は、新奇な考えを生み出す力
昔、家庭内に電気のソケットは一つしかありませんでした。
電灯を点けるとアイロンがかけられません。
それが当たり前の時代だったのです。
けんかをしている姉妹を見て、松下幸之助は二股ソケットを考えました。
実際には、すでにあったものをより使いやすく、より安く改良したのですが、そこには彼の創造力と、集中力、執着力が新製品を生み出しました。
問題解決力
授業では、導入の後に「問題」「課題」が出されます。
そこでは、既習事項と、生活経験などを交えて、含まれているいろいろの条件を考え、一つの解決方法を見つけ出す働きが問題解決です。
そして、その力が問題解決力です。
これは、何も、学校の授業だけでなく、生活場面などでもありえます。
この問題解決力には、前回の概念作用、判断作用、推理作用さらには創造力が含まれ、これらが一緒に働くことによって問題解決が行われることになります。
これで、思考について一通り確認しました。
思考の類型についてもう少しかみ砕いてから、シンキングツールへと話を進めていきます。