【校長日記】 思考力を育てる −3−
- 公開日
- 2015/07/04
- 更新日
- 2015/07/04
校長日記
間が空いてしまいました。
来迎寺小学校の研究に関連して、思考力について考えるシリーズ第3弾です。
「思考力」に興味のある方はおつきあいいただければ幸いです。
思考の類型について、話を進めようと思いましたが、もう一つ寄り道させてください。
http://www.sing.co.jp/school/practice/forum10-3.html で書かれた思考の型について4つ確認させてください。
簡単に紹介します。
(1)具体的思考と抽象的思考(概念的思考)
一番簡単に言うと、算数が具体的思考が中心で、数学が抽象的思考であると言えます。少々乱暴な言い方ですが・・・。
高学年には、算数でも抽象的思考が増えてきて、理解しづらい児童が増えてきます。例えば、整数の四則計算は具体的思考でできますが、分数になると急に難しくなりますね。
生活科の絵地図は具体的思考ですが、社会科の地図は抽象化思考です。
具体的思考から抽象的思考ができるように、また、時には抽象的思考から具体的思考へ戻ることもできるようにしていきます。
(3)主観的思考と客観的思考
(2)はとばします。
主観的思考は、自分の見方、気持ちをまじえた思考です。
これに対して、客観的思考は、誰が見てももっともだと思われるように、理詰めに考える場合です。
低学年は主観的思考が中心ですが、発達段階が進むと、客観的に考えることができるようになっていきます。
(4)は前回取り上げましたのでとばします。
(5)直観的思考と反省的思考(批判的思考・分析的思考)
前者は、いわゆるひらめきです。ただ、エジソンが言うように、ひらめきの陰には、何倍もの努力が必要なのです。
後者も大切です。その人の意見や自分の考え方の善し悪しを吟味したり、批判したりしながら考える場合です。
(6)集中的思考と拡散的思考
これは大切です。
前者は、答えは一つで、後者は、いろいろな答えが考えられます。
従って、授業の流し方が変わってきます。
例えば、前者の場合、グループで話し合うと、賢い子が結論を言っておしまいということがよくあります。
答えが一つでも、そこへ至るまでの道筋が複数あれば話し合う価値がありますが・・・。
後者は、グループ交流や全体交流が最適です。仲間の意見にふれてイメージが広がるからこそ、意見を交流させる意義があるのです。
「思考」について3回にわたって、考えてきました。
いよいよ次回から思考スキルについて話を進めます。