学校日記

バカ、アホ、タワケ!

公開日
2017/08/26
更新日
2017/08/30

社会科お役立ち情報

夏休みは、社会科の雑学を紹介しています。

よく話題になることです。

「バカ、アホ、タワケ!」 その由来は?

一般に、関東のバカ、近畿のアホ、中部のタワケというイメージがありますが、日本で人を侮辱する代表的な3つの言葉。

この3つの意味を考えてみましょう。


「馬鹿」 は、サンスクリット語で「愚か」を意味するmohaが語源であるという説が江戸時代からあります。

一方、秦の宦官・趙高が、あるとき皇帝に「これは馬でございます」と言って鹿を献じた。皇帝は驚いて「これは鹿ではないか?」と尋ねたが、群臣たちは趙高を恐れてみな皇帝に鹿を指して馬だと言った、という『史記』にある故事からくるとする説も有名ですが、どうも後付のようです。

日本での文献上は、南北朝時代の太平記での「馬鹿者」が初出ですが、「力を誇示した狼藉をはたらくもの」「愚かな行為」という意味では共通しています。


「阿呆」 は、秦の始皇帝が立てた、大宮殿「阿房宮」から来たという説があります。
不必要・無駄に大きすぎるものをつくった「愚かな行為」の象徴として使っています。

中国の江南地方の方言「阿呆」が日明貿易で直接京都に伝わった説もあります。

現在も使われており、「阿」は接頭語で、「おばかさん」程度の親しみを込めた軽い表現だそうです。
現在の用法と近く、説得力があります。


「たわけ」 は「田分け」と書き、子どもの人数で田を分けると、孫、ひ孫と受け継がれていくうちにだんだん小さくなり、その家が衰退していったことを、「愚かな行為」とした説があります。
私も学校でこう習いました。

もっとも、「ふざける」「ばかなことをする」の意味の動詞「戯(たわ)く」の連用形が名詞に変化した「戯け」と考えるのが自然でしょう。
「田分」は後世の当て字のようです。


真相は分かりませんが、いずれにしろ、「無知」な人が「バカ、アホ、タワケ」なのではなく、愚かであったりふざけていたりする行為そのものを「バカ、アホ、タワケ」と言っていることがわかります。

すなわち、「行為を侮辱して、人を侮辱せず」

これは、日本人の見事な人権感覚だと私は思っています。

言葉は、こう使いたいものです。