学校日記

【校長日記】 なぜ運動会を行うの?

公開日
2016/09/12
更新日
2016/09/12

校長日記

いよいよ運動会まで2週間となりました。
天候が心配ですが、短い時間を有効に使って練習していきます。。

それでは、学校ではなぜ運動会を行うのでしょう?

自然教室同様、法的根拠を順に説明します。

学校教育法 第4章に小学校について規定されており、
第三十三条に次のようにあります。

小学校の教育課程に関する事項は、(中略)文部科学大臣が定める。

その定めたものが学校教育法施行規則 です。

第二節に次のようにあります。
 
第二節 教育課程 第五十条  小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科(以下この節において「各教科」という。)、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。

ここに、「特別活動」 という言葉が出てくるのです。
これらの教科・領域を説明するのが「学習指導要領」 です。

その小学校学習指導要領「第6章 特別活動」の「第2 各活動・学校行事の目標及び内容」に次のようにあります。

[児童会活動]
[クラブ活動]
[学校行事]
[学級活動]


特別活動は、この4つから成り立っているのです。
ついに[学校行事] という言葉が出てきました。

その[学校行事]は、さらに5つに分かれています。

(1)儀式的行事
(2)文化的行事
(3)健康安全・体育的行事
(4)遠足・集団宿泊的行事
(5)勤労生産・奉仕的行事

 この(3)健康安全・体育的行事に、運動会が当てはまるのです。
 野外学習は、(4)遠足・集団宿泊的行事でしたね。

次のように説明されています。

心身の健全な発達や健康の保持増進などについての関心を高め,安全な行動や規律ある集団行動の体得,運動に親しむ態度の育成,責任感や連帯感の涵(かん)養,体力の向上などに資するような活動を行うこと。

 だから、これを目的に、運動会を行うのです。

 これをさらに詳しく説明したものが小学校学習指導要領解説 特別活動編 です。

健康安全・体育的行事をさらに4つに分けています。
健康安全・体育的行事には,健康診断や給食に関する意識を高めるなどの健康に関する行事,避難訓練や交通安全,防犯等の安全に関する行事,運動会や球技大会等の体育的な行事などが考えられる。
 
さらにイ 実施上の留意点として次のように書かれています。

(ウ) 運動会などについては,実施に至るまでの指導の過程を大切にするとともに,体育科の学習内容と関連を図るなど時間の配当にも留意することが大切である。また,活発な身体活動をともなう行事の実施に当たっては,児童の健康や安全には特に留意し,教師間の協力体制を万全にし,事故防止に努める必要がある。

(エ) 運動会においては,学校の特色や伝統を生かすことも大切である。ただし,児童以外の参加種目を設ける場合は,運動会の教育的意義を損なわない範囲にとどめるよう配慮する。また,児童会などの組織を生かした運営を考慮し,児童自身のものとして実施することが大切である。その場合,児童に過度の負担を与えたり,過大な責任を負わせたりすることのないように配慮する。

(オ) 各種の競技会などの実施に当たっては,いたずらに勝負にこだわることなく,また,一部の児童の活動にならないように配慮することが必要である。


 かつては、布袋小学校はじめ各学校には「通学班リレー」がありました。児童数の減少で選手を決めづらくなったということもありますが、やはり 児童に過度の負担を与えたり,過大な責任を負わせたりすることのないように、そして、一部の児童の活動にならないように配慮することが必要のふたつの文があったからなくなっていったのだと思います。

 かつては、運動会のリレーでトラックを4周走った子もいました。

 「学級対抗リレーは盛り上がった」「通学班リレーが懐かしい」という声を聞きます。気持ちはよくわかりますが、これらの経緯もご承知おきください。

 学校で行っていることのほとんどは、法令で定められているのです。

 ところで、この文章最後までしっかり読んだ人はいるのかな?
 その人は、ものごとを理論的にとらえようとする、とても知的なすばらしい人です。

 写真は、今朝の全校練習の様子です。