【校長日記】 社会科の授業−2−
- 公開日
- 2015/12/17
- 更新日
- 2015/12/17
校長日記
一昨日に、私が5年4組で行った社会科の授業で、全員参加と集中化のためにとった方法をいくつか紹介しています。
(7)見える化
製鉄所のポイントの一つが広いということです。
中部地方唯一の製鉄所である、東海市の新日鉄住金名古屋製鉄所の面積は約631万平米。
数字でいってもわかりませんね。
そこで、実際に布袋小学校と同縮尺の写真とで比べてみました。
実際に計算すると、300.・・・倍。
切りがいい数字です。300倍なのです。
ちなみに、既習事項のトヨタ自動車 高岡工場は64倍、元町工場 は79倍、田原工場は200倍でした。
(8)指で示す
私は、全員に取り組ませたことについて、手を挙げた子1人に答えさせることはあまりしません。
まず、全員に意思表示をさせます。
今回のベン図では、自動車工場のみに1本指、製鉄所に2本指、両方に5本指、どちらでもないにグーの絵を貼りました。
「ア 工場は海に面しているはどうですか。せーの、はい!」で一斉に顔の前で示すのです。
私は、何を出したかではなく、出しているかどうかを確認します。
全員参加していることが、まずは大切なのです。その後に、傾向をつかみます。
そこから、意図的に指名することもあります。
※ 写真中は5年3組の写真です。
(9)ゆさぶり発問をする
はじめの課題だけで終わったらつまりません。
そこから、さらに「あれ?なぜ?」という課題を引き出します。
今回は、鉄鋼輸出世界一の中国が、日本から多くの鉄鋼を輸入している事実に気付かせました。
「世界に輸出するぐらいなら、日本から買う必要がない」
そう思うのは自然ですね。
ここで考える時間を取りたかったのですが、1人がつぶやき、みんなに聞こえてしまいました。
「日本製は品質がいいから」
そうなのです。
中国は、質の低い鉄鋼を新興国に輸出し、自国で生産できないような質の高い鉄鋼製品を日本から輸入しているのです。
(10)「書けた人は、起立してつぶやき読みで読みます。読み終わったら座りましょう」
つぶやき読みとは、小さい声で読むことです。
大きな声で読むと、まだ書いている子の邪魔になります。黙読だと、読んだかどうかわかりません。読み終わったら座るから、進度がわかります。次の指示が出せるのです。
(11)2番目も誉める
読み終えてキーワードに線を引いている子がいました。すかさず、大げさに誉めます。「○○さん、キーワードに線を引いている。すごいね。」
ここでやめないことです。
その言葉で動いた子が大切なのです。
「○○君、今の言葉ですぐやり出したね。偉い!自分で自分を伸ばそうとしているよ。」
これで、この日もみんな始めました。
良いことは、どんどんまねをすればよいのです。
(12)今日わかったことを書く
最後には、ふり返りを書かせます。感想ではなく、自分でわかったことを書きます。
その際、使う言葉を指定すると、全員が最低限のことを書くことができます。
今回は、「製鉄、日本、技術、国民の生活」を使うことと指定しました。これだけで、今回押さえたかった「日本の製鉄所は、高い技術で国民の生活を支えている」と自分で書くことができます。
もちろん、もっとたくさん書く子もいます。そういった子をどんどん誉めていきます。
まだまだ細かいテクニックはあります。
授業技術とは、細かなテクニックの集積なのです。