【校長日記】 感激した出来事
- 公開日
- 2016/03/05
- 更新日
- 2016/03/05
校長日記
昨日は、布袋中学校の卒業式に出席しました。
そこで、こんなことがありました。
式では、一人一人が正面の階段を上がり、金森校長先生から卒業証書をもらいます。その後、男子は左手、女子は右手の階段から降り、それぞれ、教育長、市長代理にお辞儀をします。女子は、来賓席の前を通り、私の前を通過して、そこに置かれた箱に証書を入れるのです。
誰もが、同じように証書をもらい、同じようにお辞儀をして戻っていきます。決められたルーティーンを忠実にこなしていきます。
ただ、一人の例外を除いて・・・・。
その女子生徒は、私の前まで来て止まり、向きを変え、私に笑顔でお辞儀をしてくれたのです。
突然のハプニングに驚きましたが、私もとっさに笑顔でお辞儀を返しました。
その女子生徒は、支援学級に属し、私も数回授業を見たことがあります。
また、朝走っているときに、何度か挨拶を交わしました。
また、彼女にとって、母校の校長という認識はあったと思います。
でも、その程度の関係です。
その彼女が、わざわざ止まってお辞儀をしてくれたのです。
学校の指導からは外れた行為です。
いわば勝手な行為。
しかし、どうして責められましょう。
本当に気持ちから出た行為なのです。
他の生徒では思ってもできないことを、彼女はさりげなく実行したのです。
わたしは感激しました。
さらに、すごいことだと評価しています。
ルールにはありませんが、全体の雰囲気を崩すわけでなく、自然体で自発的に出た行為。
彼女が考えて、彼女が実行したのです。
いつも笑顔の彼女を見て、「周囲から愛されて育ったのだろう」と思っていました。
それ以上のことはわかりません。
しかし、あのお辞儀で、彼女が充実した中学校生活を送ってきたであろうことを確信しました。
また、素晴らしい教育を受けてきたであろうことも…。
その一瞬の出来事で、布袋中学校の卒業式は、私にとって忘れられない出来事になりました。
新しい世界で、彼女に幸多かれと願います。