【校長日記】 概念を育む
- 公開日
- 2016/04/28
- 更新日
- 2016/04/28
今日の布袋小
1年生の教室をのぞいていました。
算数で、「10までのかずをかぞえよう」の勉強をしていました。
私たちは、「○○○ が3。●●●● が4。比べると●がひとつ多い。」ことがすぐにわかります。
1年生の子に「○○○を3というんだよ」「●●●●を4というんだよ」と知識として与えることも可能でしょう。
しかし、それで「数がわかる」とは言えません。
子どもが「数をわかる」ということは、数の概念が身につくということです。
概念は教えられないのです。
人々がまだ数を知らなかった大昔は,「○−●」「○−●」 「○−●」
「●」と、1対1を対応させて,多い・少ないの判断をしていと考えられます。
しかし集団が大きくなると、手に負えなくなります。
そこで「数」が生まれます。
数により、どんなに多くても数に置き換えられ簡単に比べられるようになるのです。
数は「ものの集まりの大きさ」を表すために考え出されたものと思われます。
そして、○が3こ、●が4こという個数を表す数を「集合数」と言います。
(一方で、「3人目」「4列目」などの順序を表す数を「順序数」と言います。)
今日の授業は、ヨットとブロックを一対一対応させています。
まずは、いきなり数を扱うのではなく、1対1対応の操作をすることにより、数の概念を育んでいるのです。
概念は、具体的な操作を繰り返すことで、じっくりと醸成されていくものなのです。
普通は、外遊びのなかで自然と身に付けていくようですが、最近の子は外遊びが減り、概念より先に「1,2,3・・」という知識が与えられていることが多いと聞いています。
くり返しますが、数量は概念です。
概念は教えるものではなく、育むものなのです。