学校日記

【校長日記】 第70回卒業式 式辞 (一部抜粋)

公開日
2017/03/16
更新日
2017/03/16

校長日記

本日の卒業式での式辞を一部抜粋して紹介します。

※ 本番はアドリブもあり、若干の違いがあります。

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( 前 略 )

 皆さんは、この六年間、勉強や運動にはげみ、心と体を鍛えてきました。特に、皆さんのこの2年間の活躍から多くの感動をもらいました。

 団結力を示した野外学習キャンプファイヤー、力と技で会場一杯の拍手と歓声を浴びた運動会、素晴らしい成績をおさめた陸上記録会、下級生を思いやり、最上級生としての自覚をもって活動した委員会や登下校など、どの場面をとっても、まじめに、精一杯取り組んだ姿が目に浮かんできます。皆さんの成長に、心から賞賛の拍手を送りたいと思います。

( BGM )

 なかでも、私の心に特に深く残っているのが、ほてっこ発表会でみなさんが演じた「六千人の命のビザ 杉原千畝物語」です。 

( 間 )

 この曲は、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画「シンドラーのリスト」のテーマ曲です。
 この映画は、オスカー・シンドラーが千二百人以上のユダヤ人を、自身が経営する工場で雇い入れ、命を救った実話です。最後には、ユダヤ人を救うために全財産を使いました。ユダヤ人であるスピルバーグ監督は、シンドラーに感謝の気持ちを込めてこの映画を作ったのだと思います。みなさんが演じた杉原千畝は、「東洋のシンドラー」とも言われていますが、そのシンドラーとは、このオスカー・シンドラーのことです。
 シンドラー、そして千畝。共に、家族や自分の安全、立場を脅かされながらも、自分の信念を最後まで貫き通し、その結果、多くの命を救いました。皆さんは、千畝の心を理解して、劇の中で彼の生き方を立派に演じきり、そのすばらしさを表現してくれました。

 みなさんは4月から中学生になります。中学校は、子どもが大人に近づくところ。職場体験や働く人の話を聞く会などの行事の中で、多くの大人と出会います。社会科や道徳の授業の中でも、多くの偉人を学びます。そうして数々の生き方に触れることができます。
 最後の朝礼で、私のあこがれとして、伊能忠敬の生き方を紹介しました。忠敬は、子どもの頃からの夢を持ち続け、仕事を引退してから勉強を始めて、精密な日本地図をつくりました。

 みなさんも、いろいろな人と会い、いろいろな本を読み、学習する中で、自分に合ったあこがれの人を探してください。自分に合うと言うことは、自分のことを知らなければなりません。自分は何に向いているのか、何をしたいのかなど、自分自身を見つめて、夢と希望を膨らませていってください。
 そしてゆくゆくは、シンドラーや千畝、スピルバーグ監督、伊能忠敬のような、自分の信念をもち、なおかつ、それが人に愛され、よりよい社会づくりにつながるような人になってくれたらと思います。
 
( 後 略 )

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教育基本法 第1条 に次のようにあります。
「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。 」

今回は、この条文を意識して、キャリア教育の視点を加味して、子どもたちへ私のメッセージを伝えました。

うまく伝われば幸いです。