学校日記

文部省訓令第5号(昭和20年8月15日)

公開日
2018/08/09
更新日
2018/08/09

布袋の歴史

さっそく、終戦の詔書が出された昭和20年8月15日に文部科学省から出された訓令を紹介します。

また句読点を補ったところもあります。

本文を紹介します。

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8月14日、米英支蘇四国の共同宣言を受諾給うに際し、畏くも大詔を渙発総力を将来の建設に傾けんことを懇諭し給ふに、誠に允に恐懼に堪えず大東亜戦争勃発して已に殆ど四年、その間、地方総監並びに地方長官は熱誠克く管下の学校教職員を統督し、学校長並びに教職員は、盡忠克く垂範促進、実を挙げ、学徒は或いは前線に勇戦し、或いは銃後に敢斗し、忠誠純真克く奉公の節を効せりと難戦局並びに世界情勢の相次ぐ急変−残虐なる爆弾の出現とは遂に未曾有の国難を結果し、国歩の蹉跌を招来するに至れり。是し偏に我らに匪窮の誠足らず報告の力乏しくして皇国教学の神髄を発揚するに未だしきもの有りしに由ることを反省し、この痛恨を心肝に刻み臣子たつ責務の完遂を今後に誓わざるべからず。激情を戒め隠忍を諭へ道義志操の教を申ねさせ給うを拝しては、苟も教育に関係する者にして感奮興起せざる者有らんや。
 各位は深く此の大詔の聖旨を対し奉り国体護持の一念に徹し、教育に従事する者をして克く学徒を薫化啓導し其の本分を謬なく恪守せしむると共に、師弟一心任の重きに堪え、祖孫一体道の遠きを忍びて教学を荊蕀の裡に再建し国力を焦土の上に復興し、以て深遠なる聖慮に応え奉らしめんことを期すべし。

昭和20年8月15日   文部大臣  太 田 耕 造

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昭和20年8月14日に、日本は御前会議において鈴木貫太郎首相が昭和天皇の判断を仰ぎ、ポツダム宣言の受諾を決定しました。

その翌日にこの訓令が出されたことが驚きです。
事前に内々に準備されていたのかもしれません。

当時の様子が伝わってきます。

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