5月9日(木) 一粒の米の話
- 公開日
- 2007/05/10
- 更新日
- 2007/05/10
校長メッセージ
今日の話は、「一粒の米」というお話です。
江戸時代に、新井白石という人がいました。
新井白石さんは、自分の子どもの頃のことや、大人になって経験したことを60歳ぐらいになった時に、思い出しては書き留めました。
それが、今でも本になって残っていて、読むことができます。
ここにその本があるのですが、面白い話がいくつも載っています。
例えば、つぎのような話があります。
新井白石が9歳の時、毎日習字の練習をしていた。
行書と草書を昼間には三千字、夜には千字書いて出すように命じられていた。
こんなにたくさんの字を書くと疲れてしまって、夜に練習をしていると眠たくなってしまう。
そういう時のために、おけに水をくんで用意しておいた。
そして、着物を脱いで水をかぶった。
すると目が覚めてまたがんばれる。
こういうことを2回するとだいたい日課はやりこなすことができた。
また、新井白石は、勉強について次のようなことも書き残しています。
世間の人が一度することを、私は十度おこない、十度することは百度した。
こんなに熱心に勉強した新井白石も、子どもの頃「勉強がいやだ」と怠けていたことがあったようです。
その時お父さんが「一粒の米」の話をしてくれました。
その話というのはこうです。
ここに一升の米がある。
その中から一粒とっても、減ったかどうかわからない。
2粒とっても、減ったかどうかはわからない。
けれども、10日・20日と一粒づつとり続けていると、少しは減ったことがわかる。
30日、50日、100日とり続ければ、うんと減ってくる。
勉強も1日ぐらい怠けたってどうってことはないと思うかもしれない。
しかし、一粒ずつの米の集まりが一升の米になっている。
一粒が大切なのだ。
この話を聞いてから、新井白石は怠け心に負けないように一生懸命勉強したのでしょう。 勉強も1日1日の積み重ねが大事だという、一粒の米の話でした。
さて、ではここで一粒がどれほど大切なのか、目に見える形にしてみたいと思います。
天秤の左右には、小さな紙袋がついています。
今、ちょうど釣り合って、水平になっています。
そこで、右側の袋に一粒だけ米を入れて見ます。
天秤は傾いて右側が下がるでしょうか。
予想を立ててみましょう。
ア 一粒ではほとんど傾かない
イ 一粒でも少し傾く
写真は、水平の時と右側に一粒入れた時と二粒入れた時のものです。
※ 朝礼のときに話したのですが、風が強くて実験ができなかったので、
この実験の様子は、あとでテレビで全校に放映してもらいました。
(校長 長瀬好文)