土日限定 雑学・豆知識シリーズ40
- 公開日
- 2016/08/20
- 更新日
- 2016/08/20
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【冷や「奴」】
夏の豆腐料理の定番の冷や奴。しかし、湯豆腐を思えぱ素直に「冷や豆腐」ですむものを、なぜ「奴」というのだろうか?
語源をひもとくと、奴は「家つ子」であり、江戸時代の武家に仕えた最下級の家釆のこと。鎌髭とよばれる独特なヒゲを生やし、短い着を着て大名行列で荷物持ちなどをする、いわゆる「奴さん」である。
江戸時代、大名家の参勤交代は石高に応じて行列の人数が決められていた。だが大名行列のためだけに大勢の人を常雇いする余裕は各藩にはない。そこで末端の荷物持ちや槍持ちは、必要なときだけ臨時に雇うようになった。それが奴さんで、昔の派遣社員である。
「奴」はいつどの藩に雇われてもよいように「釘抜紋」と呼ばれる正方形の紋を半纏につけた。この紋の形から、食材を四角く切ることを「奴に切る」などというようになり、冷や豆腐も「冷や奴」と呼ぱれるようになった。