学校日記

台風

公開日
2014/08/08
更新日
2014/08/08

校長室から

晴天率の高いこの時期に、台風のせいで、随分と荒れた天気が続いています。
今週末にも上陸しそうな台風の動向が気になるところです。

ところで、「台風」の名前の由来は、なんでしょうか。
中国では、台風のような風を「颶風(ぐふう)」(颶:風編に具)と呼んでいました。日本では、台風や台風のような暴風のことを野分(のわけ)と呼んでいました。
しかし、江戸時代の文献には、熱帯低気圧のことを中国にならって「颶風」と書いているものがあるそうです。
それが、明治の末期、当時の中央気象台長だった岡田武松氏が、気象用語として「颱風(たいふう)」(颱:風編に台)を定着させ、それが一般に広まりました。ちなみに「颱」は、台湾の「台」が使われていますが、「台湾の方から来る風」の意味があるという説もあります。やがて、「颱」が当用漢字から無くなり、「台」の字が用いられるようになったため、現在の「台風」になっているのだそうです。台湾では、今でも「颱風」と表しています。

では、「台風」にそっくりな英語「typhoon」の由来は、なんでしょうか。
諸説あるのですが、ここに紹介したいと思います。
(1〜3は、ホームページ「言語由来辞典」http://gogen-allguide.com/ta/typhoon.htmlから引用)

1 台湾や中国では、激しい風のことを方言で「tai fung(大風:タイフーン)」と言い、それが、ヨーロッパの方で音写され「typhoon」となった。さらに、それが再び台湾や中国に入り「颱風」となった。

2 アラビア語で、ぐるぐる回る意味の「tufan」が「typhoon」となり、「颱風」となった。9〜10世紀には、西アジアと中国の交易が盛んで、イスラム船が中国によく来航していた際に、台風の影響を受けたアラブ人の言葉が「typhoon」に転じた。

3 ギリシャ神話の「風の神」「typhon」(テュフォン)が「typhoon」となり、「颱風」となった。

どれも「なるほど」と思うものばかりです。
インド洋で発生し、アフリカやオーストラリアに向かう台風を「サイクロン」と言い、北大西洋やアメリカ寄りの太平洋で発生する台風を「ハリケーン」と言います。
よって、ここで言えるのは、「typhoon」は、広大なユーラシア大陸内で、言葉が行ったり来たりする中で、変化したと考えられること。ですから、この地域(アジア圏)の言葉となっているのですね。勉強になります。