学校日記

2014.9.19 「はいどうぞ」「ありがとう」

公開日
2014/09/19
更新日
2014/09/19

校長室から

プリントなどを列ごとに配るワンシーン。
席が前の児童が、後ろの児童へプリントなどを回す(配る)ときに、その人の方を向いて「はいどうぞ」と言います。受け取る側は「ありがとう」と言いながら受け取ります。

これだけのことですが、このシーンには、色々な意味が隠されています。
前を向いたまま、プリントだけ持った手を後ろへ「ホイ」と渡す児童がいると、プリントが後ろの児童の顔などに当たり、当たれば「クシャッ」と紙が傷みます。紙の角が目に入れば大変なことです。後ろを見て、丁寧に渡すことで、紙は傷まず、事故もおきません。
そして、「はいどうぞ」「ありがとう」というだけで、お互いが気持ちよくなり、思いやりや優しさの気持ちを芽生えさせることができます。

プリントを列の一番後ろの児童が回収するときも、集められる側が「お願いします」と言い、集める側が「はい」や「いいですよ」というのも同様な効果があります。

小学校では、よく行われる手立てですが、低学年から、こういう小さなことを徹底することで、学級や集団が温かい雰囲気になります。もちろん、この手立てだけで、そうなるわけではないですが、このことをきっかけに、小さな事をきちんと大切にし、思いやりあふれる行動を大切にした意識が広がります。

これは、教育業界では著名な故有田和正先生の実践です。
私自身、何回か、有田先生の講演などを拝聴したことがありますが、ユーモラスで、それでいて授業のツボをしっかりと押さえていて、多くのことを学んだものです。残念ながら、今年の5月にお亡くなりになりました。
優れた実践家の手立てには、大きな意味があり、私たちもそれらから学び、それらを継承・実践していきたいものです。