学校日記

2014.10.13 体力・運動能力調査から見えること

公開日
2014/10/13
更新日
2014/10/13

校長室から

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毎年、「体育の日」になると、前年度の「体力・運動能力調査」の結果が発表されます。今年も新聞・ニュースなどで発表がありました。子どもの体力は、1985年をピークに、低下傾向にあり、ここ数年でなんとか持ち直しつつあるといった状況です。

しかし、小学男子の「ボール投げ」は、1985年の平均値が「29.94m」であり、2013年度は「23.18m」と、昔は現在の1.3倍の力がありました。週に1時間以上運動をする子の平均でさえ「26.20m」ですから、いかに、昔は全体的に力があったかが分かります。今のお父さん方が「今の子どもたちは、肩が弱い」と言うのは、当たっているのです。
昭和のこの時代は、公園などの広場で野球をすることも多く、自然と肩が強くなったものです。しかし、広い運動スペースがなくなったり、公園は危険だから「野球禁止」となったり、「野球」ができる場所が少なくなりました。加えて、テレビゲームが普及し、一気に、「内向き」な子供が増えたのも想像の通りです。

調査では、小学校で、「男女」「1週間の総運動時間」「運動やスポーツの好き・きらい」「体力総合評価」を問わず、もっと運動をするようになる条件として、「好き・できそうな種目があれば」「友達と一緒にできたら」「自分のペースで運動ができたら」「自由に使える場所があれば」が上位に挙げられています。

しかし、習い事が増え、忙しくなった現代っ子にとって、「友達と一緒に」「自分のペースで」行うというのは、難しくなり、「自由に使える場所」も少ない今、理想と現実を結びつけるのは難しいようです。

2020年に行われる東京オリンピックに向けて、国策として、体力向上のための取組がなされることとなるでしょう。しかし、ピーク時の30年前のソフト・ハード面と同じ環境で、運動ができる世の中ではありません。運動に親しむ時間、親しみ方、運動ができる場所の確保など、ひとつひとつの課題に対して、今の世の中にあった方法を考える必要がありそうです。

古北小は、幸いにも、平均値より高い数値が出ています。これは、外遊びの時間が「業前」「長放課」「昼放課」と確保され、掃除をカットして30分の「超長放課」にする「かがやきタイム」を月に一度設けていることと、放課後に多くの児童が校庭に遊びに来て自由に遊ぶ土壌ができているからでしょう。体育の時間も、運動量の確保に務めています。
今後は、これらに、体育の授業時のサーキットトレーニングの導入や、さらに運動量の確保をめざし、引き続き、一人一人の体力向上が図れる指導に努めていきます。