2014.11.3 エンハンシング効果
- 公開日
- 2014/11/03
- 更新日
- 2014/11/03
校長室から
「アンダーマイニング効果」(参照:2014.11.1 アンダーマイニング効果)とは逆に、外発的動機づけによって、内発的動機づけが高まることを「エンハンシング効果」と言います。
これは、内発的動機づけによる行為に対して、「物理的報酬」ではなく、賞賛などの「言語報酬」や「精神的な報酬」を与えると、自発性が一層強化されるというものです。簡単に言い換えれば「ほめられると、一層やる気が起こる」「『優勝』のような精神的な充実感があると、さらにやる気が起こる」ということです。
やる気があって、頑張っている人には、純粋に「最近、力がついてきてるわね。がんばってるのね」「いいね。その勉強方法を教えてよ」「なるほど、そうすると上手くなるのか。その練習法のポイントは」などと、具体的に褒めると、その本人のモチベーション(やる気)はさらに高まります。
但し、人によって、モチベーションの高まり具合は個性があるため、「アンダーマイニング効果」が全て否定されるわけではなく、「エンハンシング効果」が全て肯定されるものでもありません。しかし、物理的報酬によって左右されるモチベーションでは、様々なシチュエーションや、ケースに対して、根本的な精神面の強さや安定感は身につきにくいのでしょう。
純粋に頑張っている人は、やらされているのではなく、自らの成長を願い、進んでやっています。そこに、時には余分なものとなってしまう恐れのある「物理的報酬」は、必要としないことの方が多いのです。
といっても、個人的には「頑張ったからお寿司でも食べに行こうか!」は、単純に乗っかかりそうです。まだまだ、根本的な精神面の強さや安定感は身についてないのでしょう(笑)。
しかし、この「アンダーマイニング効果」と「エンハンシング効果」。
子育てや、仕事現場などにおいて、気をつけたいことですね。