学校日記

2014.11.13 技術科の授業

公開日
2014/11/13
更新日
2014/11/13

校長室から

中学校に進学すると「技術・家庭科」の授業が加わります。昨日の午後は、岩倉南部中学校へ、その「技術科」の授業を見学してきました。

保護者の皆さんが、中学校の頃に学習した技術科の授業は、男女別で授業を受けるか、男女混合で受けるかの、学習指導要領が変わるか、変わらないかのタイミングだったと思います。

ここで、現在の技術科の授業に至るまでの変遷を解説したいと思います。
1990年頃の学習指導要領改訂前の男女別で実施していた頃は、「木材加工」「金属加工」「電気」「機械」「栽培」という内容で主に男子が学んでいました。女子は、主に「木材加工」のみを学習していました。
しかし、改訂後は、3年生の時間が1時間減り、男女が一緒に技術科の授業と家庭科の授業を学ぶようになりました。さらに「情報基礎」という主にコンピュータの操作について学ぶ内容が加わると、木工・金工作品などのものづくりに当たる時間が削られ、手の込んだ作品が作れなくなりました。「栽培」も選択しなくても可という形になりました。現在では、さらに3年生の時間が1時間減り、実質、技術科の授業は、3年間で「87時間」ほどしか、行わなくなっています(家庭科も同時間数)。1960年代は、「315時間」も実施していたというのですから、その激減ぶりは驚くばかりです。

そして、現在の学習指導要領では、指導内容の見直しが図られ「材料と加工」(これまでの木工・金工)、「エネルギー変換」(これまでの電気・機械)、「生物育成」(これまでの栽培)、「情報」(コンピュータの仕組み、コンピュータ制御について等)となり、ものづくりはしますが、生活との関わりについて学ぶことに主眼をおいた構成になっています。

昨日の授業は「大根の栽培」でした。「生物育成」という分野内に位置づけられた学習内容で、題材内では、主に野菜や果物・花・飼育動物など(どれでも可)の育成に関する知識・技能を身につけ、バイオテクノロジーなどの最先端技術についても触れます。「間引き」についての学習場面では、土に触れながら、授業を楽しく受けている印象をもちました。

お父さん、お母さんの時代と随分と様変わりしたと思いませんか。
様々なものがつくれるというのは、多くの生徒にとって楽しみにしている授業の一つだったと思います。そして、その経験が、ある程度の器用さを身につけられました。
先進国の中では、小1〜高校まで、毎年、学習する国もあります。日本の技術科教育はどうなるのでしょうか。今後、学習指導要領が改訂される度に気になるところです。
以上、技術科免許をもつ教師のつぶやきでした。