2014.11.24 どんぐりの家
- 公開日
- 2014/11/24
- 更新日
- 2014/11/24
校長室から
初任者研修には、特別支援学校を訪問する研修があります。特別支援学校に勤めてみえる先生方から、直接、特別支援教育の在り方について講話を受け、そして、指導の現場を実際の目で確かめます。
先日、本校の初任者が研修に参加した際、講師の先生から「漫画『どんぐりの家』を読むとよい」と言われたようで、家にある「どんぐりの家」を改めて読み返しました。
作者の山本おさむさんは、障がい者をテーマにした作品をいくつか描かれています。ろう学校の野球部の子どもたちを描いた「遥かなる甲子園」、日本のろう教育の歴史を描いた「わが指のオーケストラ」、隻腕投手を題材にした「さよならレフティ」などです。
どれも読み進めると、深く考えさせられると共に、場面によっては、目頭が熱くなることもあります。
漫画「どんぐりの家」は、重複障がい(二つ以上の障がい。この作品では、耳が不自由な障がいとその他の障がい)を抱えた子どもたちと、その子どもたちを取り巻く人々を描いた作品です。
どんな障がいを抱えていても、生きようとする姿に変わりはなく、それぞれの行為に意味があることを知らされます。読み進めると、障がいをもった子どもたちにどう接していくべきかを教えられます。
特に、この漫画では、これまで認可されなかった重複障がい児の教育の機会を得るまでの話や、ろう学校を卒業した人たちが働くための作業所の完成に至るまでの話が描かれ、学ぶところがたくさんあります。
私が担任をしていた頃は、上記の山本おさむさんの漫画は学級文庫にして教室に置き、子どもたちに自由に読ませていました。中には、保護者会でお母さんが「借りてもいいですか」と言われたことも(笑)。
何事も、知るということは大切なことです。特に今では、こうした漫画でわかりやすく学ぶことができます。初任者に限らず、どの教師、大人が読んでも学べる「どんぐりの家」です。読み返してみて、また学び直しました。