2015.1.13 学び合いは「聴き合い」で
- 公開日
- 2015/01/13
- 更新日
- 2015/01/13
校長室から
「学び合い」は、他者の考えを聴き、学ぶところがありますが、「教えてあげる」のは「学び合い」ではありません。
教師が「できた人は教えてあげて」「困っている子に教えてあげましょう」と指示してはいけないのです。
「教え合い」は、時には「大きなお世話」になり、自分の意志に反して教えられていたのでは、吸収率が違います。一方的に教えてくるのは「お節介」の何ものでもありません。ひょっとしたら「できる子」と「できない子」のレッテルを貼りかねません。
自分なりに考えてみる、でもここから先がわからない・・・。そんなときに「ここからどうすればいい?」と、自ら能動的に「聴く」ことで、吸収率が高まります。自分の考えの線引きができていて、そこまでが正しいのか間違っているのかを確認しつつ、次のステップのヒントを得て、自分で再確認をする・・・。「教えてあげる」より「わからないから教えて」と聴くこと(聴けること)の方が大切であり、力がつくのです。
また、自分の意志に反して「教えてもらう」ことばかりしていては、それが当たり前となり、能動的に動くことができなくなります。ともすれば、教えてもらわなくなれば「どうして教えてくれないのだ」とおかしなことになってしまいます。
よく(?)ある、家庭での「どうして聴かないの」という親から子への問いに対して「聴いても怒られるし・・・」ということがあっては「聴けない子」になってしまいます。家庭では、聴かれたら、ぜひ「それはね・・・」と寄り添いたいものです。そこから得られる安心感が家庭にあったり、学級にあったりすれば「聴ける子」になります。
よって、学校では、一人学習の場面で「先生!」と聴く子がいれば、「周りに聴いてごらん?」とし、友達同士の関わりを作り、「聴き合う」ことをさせるのです(もちろん、教師の出る場面もありますが)。
大人でも、職場で「これは、どういうこと?」と聴かなければやっていけません。チームで一つのプロジェクトを創り上げるときなどは、互いの考えを聴き合い共有していきます。そんな「聴き合う」ことができる力をつけ、そんな雰囲気を学校のみならず、家庭や地域でも大切にしたいものです。