2014.6.5 思考を深めさせる
- 公開日
- 2015/06/05
- 更新日
- 2015/06/05
校長室から
何事も、自分の意志で動く方が楽しく、物事の吸収率も変わってくるものです。つまり、「『受動的』より『能動的』な方がよい」ということです。
授業も同じで、教師の一方的な話では、興味のない場面になると、おそらく思考は、さほど働かなかったり、止まったりすると思います。
1問1答式の展開であったり、理解している子だけを中心に展開する授業であったりしていては、子ども達もおもしろくないでしょうし、何しろ思考が深まりません。
そこで、子どもの発言に対して「そうだね」として終わるのではなく、「本当に?」「どうして?」「もう少し詳しく教えて」「でも、もし○○だったら?」などと、「ゆさぶり」をかけると、子ども達の目が輝き出します。
「本当に?」「どうして?」「でも、もし○○だったら?」と教師が切り返せば、その理由を言いたい子はうずうずしてきて、理由を言う級友の発言にじっくり耳を傾けます。そして、補足が必要であろうものなら「つけたします」「別の考えで…」と、子ども達が、盛り上がってきます。
「もう少し詳しく教えて」と切り返せば、思考が浅いと説明できないため、再度熟考を重ねることになるか、自分の考えをきちんと整理して説明し直すため、考えがまとまることになります。
写真は、担任が「本当かなぁ〜」とひと言発した瞬間の子ども達の様子です。写真手前にように、隣の子と自分の考えを言い合ったり、教科書を読み直したりする子が見られます。
本校では、思考を深めさせるために、授業の中では「教師の出場(でば)」という場面を設定しています。「ゆさぶり」の切り返しをしたり、新しい資料を提示したりすることで、子ども達の考えを文字通り揺さぶったり、思考を高めさせたりするのです。
教師間で、授業研究を行ったり、指導案の検討を行うと「あの(この)出場は、子ども達の思考を高めるのに有効だったか(有効だろうか)」という議論がなされるのです。
ぜひ、家庭でも親子の会話で「本当、もう少し詳しく聞かせて」「どうしてそうなったの」と、時には切り返していただけると、思考を深める回路にスイッチが入りやすい脳になると思います。お試しください。