2015.6.28 アリスのままで
- 公開日
- 2015/06/28
- 更新日
- 2015/06/28
校長室から
今日は、映画「アリスのままで」を見てきました。主演のアリスを演じた女優「ジュリアン・ムーア」がアカデミー賞主演女優賞を受賞した映画です。
映画は、「若年性アルツハイマー病」を扱った物語。渡辺謙さん主演の映画「明日の記憶」、韓国映画の「私の頭の中の消しゴム」も同様なテーマで、どちらも考えさせられる作品だったため、「アリス…」も、ぜひ、見たいと思っていた映画でした。「あらすじ」は以下の通りです。
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50歳のアリスは、まさに人生の充実期を迎えていた。高名な言語学者として敬われ、ニューヨークのコロンビア大学の教授として、学生たちから絶大な人気を集めていた。夫のジョンは変わらぬ愛情にあふれ、幸せな結婚をした長女のアナと医学院生の長男のトムにも何の不満もなかった。唯一の心配は、ロサンゼルスで女優を目指す次女のリディアだけだ。ところが、そんなアリスにまさかの運命が降りかかる。物忘れが頻繁に起こるようになって診察を受けた結果、若年性アルツハイマー病だと宣告されたのだ。その日からアリスの避けられない運命との闘いが始まる──。(※公式ページより)
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自分の中に、「忘れてしまいたい記憶」もありますが、改めて「記憶が残っていること」のありがたさを感じる作品でした。そして、何気なく、家族と会話ができることの良さやありがたみを感じる自分がいました。
また、この映画は、ジュリアン・ムーアがアカデミー主演女優賞を獲得してからわずか20日足らずのところで、リチャード・グラッツァー監督(共同監督の一人)が筋萎縮性側索硬化症(ALS)により、亡くなったというのは衝撃的でした。
映画化プロジェクトをスタートさせる直前に診断され、1日たりとも撮影を休むことはなかったとのことですが、撮影終盤には言葉を発することも難しくなり、特注のiPadを使って、右足の親指でタップしながら“会話”をしていたというから驚きです。登場人物の細やかな心情を描ききれたのは、そんな状態だったからだと言う評論家もいます。
特別なことがなくとも、生きていられることのありがたさを、映画のストーリーと共に、監督の生い立ちからも改めて感じた、今回の映画でした。