学校日記

2015.7.5 遥かなる甲子園

公開日
2015/07/05
更新日
2015/07/05

校長室から

  • 1299166.jpg

https://konan.schoolweb.ne.jp/2310018/blog_img/60376308?tm=20250203120257

たまにこのカテゴリで紹介している「おすすめ漫画」。今日もその一つを紹介したいと思います。

夏の高校野球の季節となり、全国の各地から予選が始まりつつあります。
今日は、そんな高校野球に関わる「遥かなる甲子園」という漫画です。

「遥かなる甲子園」は、今から30年近く前に出版されたものですが、沖縄県に実在した、風疹聴覚障害児のための聾学校を舞台に、高校野球にあこがれる少年達が、幾多の困難を乗り越え硬式野球部を作り、甲子園を目指すというものです。

作者は、障がい者をテーマにした作品をいくつか描かれている山本おさむさん。
漫画は実話を基にしながら描かれたフィクションであるため、実際にあった様々な事柄を知ることができ、また、考えさせられる漫画です。

その昔、「特殊教育学校野球部」(現在の特別支援学校野球部)は、都道府県内の大会に限り、特別に参加を認められるものであり、全国大会の甲子園への出場は叶わなかったのです。ここが、問題となり、物語は進んでいきます。
事実、1974年に、「福井ろう学校軟式野球部」が、全国高校軟式野球大会の福井県予選で優勝し、全国大会の出場権を獲得しながらも認められず、全国から高野連に抗議が殺到し、急遽、全国大会への出場が認められたということがありました。
この漫画のモデルとなった「北城ろう学校」は、1978年に設立されており、福井ろう学校の件の何年か後のことです。「福井ろう学校」は「軟式野球」であり、「北城ろう学校」の「硬式野球」とは異なりますが、同様な問題が起きていたのです。

読み進めると、障がい者に対する理解を深めることができるとともに、思わず、「福里ろう学校」(北城ろう学校をモデルとした漫画の中の学校名)のナインを思わず応援してしまう漫画です。

現在、初版の大判サイズの漫画(写真)は、定価より高い値段でしか手に入らない貴重なものになっています。かつて、学級文庫に並べていたため、若干、痛みがあり、そんあレアな一品になっていることを知り驚きました。現在は、文庫版で初版より安く販売されており、手に入れることができます。

「遥かなる甲子園」。家族で読める漫画として、おすすめです。