2015.8.21 江南市教育研究会研修会
- 公開日
- 2015/08/21
- 更新日
- 2015/08/21
校長室から
今日は、午後から、市内の小中学校の全ての先生方が、江南市民文化会館に集まって実施する講演会の研修会に参加しました。
講師は、「コーチング」の理論で、各方面でご活躍されている小山英樹先生。
演題は「21世紀型人材を育成する教育コーチング」と題し、関西出身らしく、ユーモアを交えながら、分かりやすく、アニメーション、動画、ケーススタディなどを随所にちりばめ、笑いあり、涙ありの2時間の充実した講演会でした。
日本子ども達は、幼い頃は、とびきりの笑顔を見せていた子ども達が、成長するにつれ、表情が暗くなり、自己肯定感が低くなり、未来に希望を持てなくなっている現状にあるといいます。そんな子ども達を、コーチングの理論を用いながら育み、「21世紀型人材を育んでいこう」という大きなねらいがあるように思いながら拝聴しました。
基本的に、「教授・指示・命令」を相手に一方的に行う「ティーチング」と異なり、「コーチング」は、「質問」→「話す(アウトプット)」→「傾聴」「承認」「認める」といったサイクルをくりかえし、気づきを「アウトプット(外化)」することで、コーチングを受けた人物が変わっていきます。
まず、「傾聴」。園児が「せんせーい!」と駆け寄ると、保育士は手を広げて「どうしたの?○○ちゃん」と全身で受け止めます。ところが、高校生が「先生」と声をかけると、先生は腕組みをして「なんだ」とし、腕組みされることで関係を閉ざした状態を作ります。ここに、差があるといいます。笑いながら聞いていましたが、まさに「先生の“あるある"」です。
まず、受け止める。決して、「審判」になってジャッジを瞬時に下すのでなく、「キャッチャー」になって、投げられたものを受け止めるところから、と言われ、納得です。
次に「質問」。大人が子どもに使いがちなフレーズが「なぜ〜ない」というもの。例えば「なぜ約束を守れないの」と。これを言われると、答えに詰まり、会話が成立しなくなります。「なぜ」「ない」を使わないことが、相手の考えを引き出すポイントだと言われました。
「今、どんな気持ち?」「約束を守れたらどんな気持ちになれる?」「何が邪魔して約束を守れないんだろう?」「約束を守るために工夫できることがあれば何?」と、「気持ち」「何」という言葉を使うといいとのことでした。
そして「承認」。あるがままの存在を認めることで、言ったとおりに育つといいます。「わがまま」ではなく「自由さがある」「自己主張できる」「意志が強い」というポジティブな承認で随分と救われます。他には「気が短い」→「決断が早い」、「いい加減」→「よい加減」、「しつこい」→「粘り強い」などなど・・・。「リフレーミング」という手法ですが、自己肯定感を高めるのに、有効な手段です。
最後に「認める」。「あなたは…」ではなく「私は…」のメッセージ(「YOUメッセージ」ではなく「Iメッセージ」)を発することが大切と言います。「宿題やったよ」→「がんばったね」(YOUメッセージ)ではなく、「宿題やったよ」→「うれしいわ」(Iメッセージ)とするのです。
ここに挙げたものは、ほんの一部の例です。小山さんが、プロ野球「日本ハムファイターズ」のアドバイザーも務めると、「3位」になり、翌年「優勝」したといいます。
学校でも、家庭でも使うと、笑顔あふれる子ども達になることは間違いなし。
明日から、江南市の子ども達は、笑顔があふれるかも(笑)。
今日は、楽しく、学びの深いひとときとなりました。
(※写真は、出身地である京都府綾部市HPに掲載されているものを引用させていただきました 綾部市/教育者・小山英樹)