2015.10.6 大村智氏ノーベル医学生理学賞受賞
- 公開日
- 2015/10/06
- 更新日
- 2015/10/06
校長室から
今朝の新聞やテレビ、インターネットのニュースでは、大村智さんのノーベル賞受賞の話題でもちきりでした。
今日(10/6)付の中日新聞のコラム「中日春秋」には、早速、ノーベル賞受賞にまつわることが記載されていたので、紹介させていただきます。
今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた大村智さんは山梨の農村で過ごした子どものころ、父・恵男(よしお)さんに植林を手伝わされたという▼そのとき、父にこう諭されたそうだ。「これらの樹木は自分の代には切り出せるようにはならないが、将来お前たちの代になると役に立つ。そして今切り出している材木は、先祖の人々のお蔭(かげ)なんだ」(馬場錬成著『大村智 2億人を病魔から守った化学者』)▼少年は長じて、科学の森に木を植える人になった。地面を這(は)うようにして集めた微生物から、薬の種となる化合物を探した。その種から育った木は大きく枝を広げ、アフリカの大地を潤すこととなったのだ▼世界保健機関によると、大村さんが開発した特効薬のおかげで、年間数十万人の失明者を出していた寄生虫病のまん延を劇的に減らすことができた▼それだけではない。病魔怖さに耕作が放棄されてきた二千五百万ヘクタールもの土地で再び農耕ができるようになり、千七百万人に食糧を供しうるようになったという。二千五百万ヘクタールとは日本の森林面積とほぼ同じ広さと聞けば、大村さんが植えた木の大きさが分かるだろう▼ちょうど百二十年前の秋、アルフレド・ノーベルは、遺産を運用する基金を設け、その利子を「人類のために最大の貢献をした人々に分け与える」との遺言に署名した。節目の年にふさわしい医学生理学賞である。
この文章を読んで、改めて、「すごい方」であることを認識しました。
そして、大村さんのおばあさんから「人のために役に立ちなさい」と繰り返し言われてきたことを大切にし、常に「人の役に立つこと」を模索していたというのですから、またまた感服です。
受賞の会見では、名言も生まれました。「ノーベル賞は、自分よりも微生物にあげたい」と。なんて謙虚な方なんだろう、と思いました。
さらに、薬の「イベルメクチン」を特許を放棄した上で、何億という人に無償提供をし、薬に関する何百億という収入(ロイヤリティ)を病院建設や研究費に当てたという功績は、「ノーベル平和賞」でもいいのでは、と言われた方もみえるというのですから驚きです。
同じ日本人として誇りに思うと同時に、自分に足りないものをいくつも見つけたように思います。最近は、物騒なニュースが多かっただけに、このビッグニュースは、とてもうれしく思いました。古北っ子の中からも、何十年後にはそんな人が誕生するかも・・・!?大いに期待したいですね。
(※写真は、中日新聞一面に掲載されたものを引用しました)