2015.10.19 いのちと心のごはん学1
- 公開日
- 2015/10/19
- 更新日
- 2015/10/19
校長室から
昨日は、「ちゅうでん教育大賞表彰式」で行われる記念講演を聴きにいきました。
テーマは食について。講師は、農学博士であり、食に関する第一人者である、東京農業大学名誉教授である小泉武夫先生。日本経済新聞の夕刊に連載しているコラム「食あれば楽あり」などが好評で、著書が100冊を優に超える先生の講話は、「いのちと心のごはん学」と題し、とても分かりやすく、興味深く拝聴できるものでした。
以下に、印象に残ったフレーズを紹介します。(文責・校長)
・食の大きな問題その1。「いのち育む食と農」。日本は農業に従事する人口が減り、60%を輸入に頼っている。若者は、お年寄りの作った作物を口を開けて待っている。農家は医者より偉い。医者でさえ、農家が作ったものを食べている。一億二千万のいのちがかかっている。日米安保条約はあっても、日米食料同盟はない。フランスのように、自給率を高める施策が必要。自国でなんとかする必要がある。
・食の大きな問題その2。「食乱れて民族滅ぶ」。諸外国に比べて、日本は食が一番乱れている。脂・肉の消費量が増え、50年間で脂は4.2倍に、肉は3.7倍になった。国民の医療費が大変なことになっている。
・沖縄の平均寿命ランクが年々下がっている。沖縄は「薬食同源 医食同源」で、病気にならなかった。しかし、大量の肉を摂取するようになった。ランチョンミートが各家庭で当たり前にある。特に、30〜50歳の若い人が亡くなるケースが増えている。県民の一人当たりの肉の消費量が全国トップ。逆に家計費における野菜の購入費が最も少ない。「こんな食生活でいいのか」と昭和44年の調査で感じていたが、30年後にこうした結果で表れてきている。
・実質平均寿命は、日本は80歳前後で上位だが、病気で長生きしている人も全て入ったデータ。WHOが出した健康平均寿命は、日本は、60〜70歳となり、世界の22〜23番目になる。ベスト3は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー。
・日本国内では、健康平均寿命のトップは奄美大島。何を食べているか調査したら、昭和36年のままだった。ご飯、大豆、海藻、野菜…。サツマイモなどはツルまで食べている。沖縄より、アメリカから早く返還され、軍事基地がないのが大きい。
なかなか、刺激的な内容がたくさんありました。続きは、また掲載します。