2015.10.27 台形の面積に思う
- 公開日
- 2015/10/27
- 更新日
- 2015/10/27
校長室から
「学習指導要領」は、最近では約10年のサイクルで、指導内容の見直しが図られています。そんな中、少し前に、算数から「台形の面積」の公式が教科書から無くなったことがありました。2002〜2010年の間です。小学校5年生で学習するので、今年で16〜24歳の人が、該当となります。
今では、教科書にも復活し、ちょうど、この時期に学習をしているところです。
と言っても、当時は「台形の公式」が消えたのであって、「台形の面積の求め方」が消えたわけではありません。「台形の面積を求めてみましょう」という課題はあったのです。
台形の面積を求める公式を覚えていれば簡単ですが、公式を忘れてしまっては求められません。極論を言えば、「既習事項である、三角形や平行四辺形の面積の求め方を駆使して求められれば、公式を覚えていなくても求められる」のです。同時にそれは、「なぜその公式なのか」が、分かっていないといけないということです。
下図は、「2007年度全国学力学習状況調査」の算数Bの問題です。
大人なら、答えは明白だと思います。
東公園 … 110×100=11,000平方m
中央公園… 70×150=10,500平方m
になるので、「東公園」の方が広い
のですが、ここで、中央公園の面積を「70×160=11,200km」としてしまう誤答が多かったのです。よって、当時の児童の全国の平均正答率は、なんと「18%」でした。
なお、この問題の前には、同じ図を用いて、道のりの問題が出されていたので、単純に「斜め」の長さに意識がいきます。冷静に解答しないと、まんまとひっかかってしまいます。
これは、先述した「なぜその公式なのか」が分かっていれば、冷静になれるところがあります。「平行四辺形の『斜辺』は『高さ』ではないため、『底辺』の長さにかけてはいけない」という理論です。
現在、台形の面積を求める公式を学習していますが、上記の平行四辺形の面積の求め方のように、「公式が教科書に出てきたよかった」のではなく、掲載されていても、そうでなくても「どうしてその求め方か」を学ぶことが大切だと思います。ぜひ、ご家庭でも、その点をお子様に質問されてもいいかもしれませんね。