2016.1.5 メディアとの接触時間の変化に思う
- 公開日
- 2016/01/05
- 更新日
- 2016/01/05
校長室から
少し前の情報になりますが、NHK放送文化研究所世論調査部による「『日本人とテレビ2015』調査 結果の概要について」を見ると、興味深いデータが並んでいます。
それによると、普段、テレビを見る時間が、2010年まで「長時間化(4時間以上)」の傾向が続いていたものの、2015年の結果からは、「短時間化(2時間以下)」に転じたというのです。
また、単に「短時間」派が増えたというだけでなく、「ほとんど・まったく見ない」という人が、この5年間で、20代(8%→16%)、30代(8%→13%)、40代(3%→6%)、50代(2%→6%)と、増加しているということです。
原因は予想ができました。図のように、「インターネットとの接触時間が増えたから」だと思ったのです。この仮説は当たっていました。しかし、「録画したテレビ番組の視聴が増えた」ということは思いつきませんでした。しかし、かく言う私も、確かにリアルタイムで視聴せず、録画で見ることが増えました(余談ですが、時間がもったいないので1.3倍速で見ています・笑)。
新聞や本の接触時間も減っています。ここにはありませんが、CD、雑誌、DVD、マンガなどのメディアとの接触もわずかではあるものの、減っているのです。
これらのデータを見て、すぐに、心配されることが浮かびました。
以下は、個人的な見解です。
今まで、テレビや新聞など、リアルタイムに見なければ、情報のキャッチをし損ねてしまうところがありました。よって「この番組は見よう」「朝、新聞を見よう」といった日々の『ルーティーン』ができあがっていたのです。このルーティーンを完遂させれば、次のルーティーン(寝る、出かけるなどの行為)に切り替えられていました。
しかし、そのルーティーンが無くなり、いつでも見られる状況となったのです。テレビ番組もネットか録画で、ニュースもネットで、という具合です。
ここの何が心配されるのかというと、「いつでも」は、人によっては、「いつでも・どれだけでも見られる」となり、生活のリズムを崩すことにならないか、ということです。
もちろん、ネットが普及する以前も、テレビやゲームに依存する人はいたので、状況は同様かもしれませんが、無制限に情報を獲得できる時代となり、『セルフコントロール』がしっかりしていないと負の生活のリズムになりかねません。
これからの子ども達には、その他のアクティブな時間を生み出すために、ネットや録画を活用するのはいいですが、それらに依存するようなネガティブな状態にならないことを願うところです。
古北っ子の家庭はいかがでしょうか。上手につきあっていきたいですね。
※参考ページはこちら↓
■NHK放送文化研究所
■「日本人とテレビ2015」調査 結果の概要について(PDFファイル)