学校日記

2016.1.26 想像力のスイッチを入れよう

公開日
2016/01/26
更新日
2016/01/26

校長室から

本日(1/26)付の朝日新聞にあるコーナー「ひと」に掲載されていたのは、5年生の国語の教科書に随筆が掲載されている下村健一氏でした。
5年生の国語の授業では、その単元がちょうど終わった(or終わろうとしている)ところです。

ここにその朝日新聞のコラム文を引用させていただきます。



 小学5年生の国語教科書(光村図書)に「想像力のスイッチを入れよう」と題した6ページの文章を書いた。民放アナウンサーや政府の広報担当者を務めた体験にもとづき、氾濫する情報への向き合い方を伝える。冬休み明けから、全国の教室で読まれている。
 インターネットで情報を発信・転送・受信する時に、思い込みや推測で、誰かを苦しめる危険がある。それを避けるために、「四つの疑問」を常に持とうと説く。(1)事実かな?印象かな?(2)他の見方もないかな?(3)何がかくれているかな?(4)まだ分からないよね?
 内閣府の一昨年の調べでは、ネットを使う小学高学年は53%。「ネットを禁止するのでなく、正しい生かし方を教える段階にきた」。大学でメディア論を教え、親や教師と危機感を共有する。
 子どものころから「風になびくススキを見ると、風上に向いた穂を探す、へそ曲がり」だった。
 TBS時代、オウム真理教による「松本サリン事件」で、当初犯人扱いされた会社員は無関係と報じ、「殺人者をかばうのか」と視聴者に非難された。退職後、菅政権から安倍政権初期まで3内閣で広報室審議官などを務め「政府はうそばかり」と批判される立場にも身を置いた。
 「うのみも全否定も判断を誤らせる。情報の中枢で思い知った経験を教訓として生かしたい」


というものです。上記(1)〜(4)のキーセンテンスは、教科書本文中に『 』として、それぞれに説明がなされています。なお、私が教科書本部中で印象に残ったのは、以下の最後から二つの段落です。


 メディアは、わざとわたしたちをだましたり、あやまった思いこみをあたえたりしようとしているわけではない。少しでも早く、分かりやすく、情報を伝えようと工夫する中で、時に、思いこみにつながる表現になってしまうことがあるのだ。そんな思いこみを防ぐために、メディアの側も、情報を受け取るあなたの側も、それぞれに努力が必要なのである。
 あなたの努力は、「想像力のスイッチ」を入れることだ。あたえられた小さいまどから小さい景色をながめるのでなく、自分の想像力でかべを破り、大きな景色をながめて判断できる人間になってほしい。


大人が読んでもなるほど、と思える内容が教科書に掲載されています。
該当学年(5年生)のみえるお子様のご家族の方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

なお、光村図書HPに、下村氏が、想像力のスイッチを入れよう」に込めた思いについて「Story1〜3」として掲載されています。そちらを読んでも学べます(以下をクリック)。

2014年夏 下村健一 「想像力のスイッチ」(光村図書HP内)