2016.2.9 のこぎり引き
- 公開日
- 2016/02/09
- 更新日
- 2016/02/09
校長室から
中学年(3・4年生)になると、図画工作では「造形的な活動」で、木材をのこぎりで切ったり、金槌を用いて釘を打ったりして、造形物の作成を行います。
今や、家庭にも必ずあるわけでもない工具であり、その経験値は多くありません。中には、幼稚園や保育園で経験を積んでくる児童もいますが、初めて触れる児童も多くいます。そんな中での学習となります。
すると、カッターナイフやはさみのように切れると思い、木材にギザギザの下書き線を描く児童がいます。切れなくはないですが、切る手順が必要であることを知ります。また、材料をしっかり固定しないと、のこぎりの動きに負けてしまい、思ったように作業が進まないことを知ります。さらに、簡単に切れるであろうと思っていたイメージはくつがえされ、思ったより力がいることを知ります。
このように、体験することで多くのことを学びます。と同時に、苦労しながらも、具体的な形が作られていくと、意欲が増し、造形の楽しさを味わうことができます。
また、回数をこなせば、リズムよく動かし、無理のない力で切ることができるようになっていきます。材質の異なる木材を加工したり、厚さのことなる木材を加工することで、さらに様々な気づきが広がるでしょう。
ちなみに、写真は、両刃のこぎりではなく、片刃の「胴つきのこぎり」を用いています。これは、「背金」をつけることにより、のこ身が真っ直ぐ固定され、切りやすくなります。初心者や、小さな材料を切断するのに有効なのこぎりです。
木目に対して切断方向が異なる場合は、「縦引き」「横引き」のある「両刃のこぎり」を用います。
「百聞は“一験”にしかず」です。こうした経験をすることによって、子どもたちの世界が広がっていきます。安全面に気をつけ、楽しく学んでいってほしいと思います。
…と、中学校では、技術科の指導をしてきた指導者のつぶやきでした(笑)。