2016.5.20 水谷修氏講演会
- 公開日
- 2016/05/20
- 更新日
- 2016/05/20
校長室から
昨日は、大口町民会館にて、18:30より行われた、丹羽青年会議所主催の講演を拝聴しにいきました。
講師は、「夜回り先生」として有名な、水谷修先生。演題は「地域の大人の意識改革」です。
5月8日に60歳の還暦を迎えた水谷先生。体は、癌の転移を何度も繰り返しながら、先週の金曜日に6度目のガンの手術をし、月曜日まで入院していたとのこと(驚)。しかし、そんな年齢や体調を感じさせず、時には笑いを交えながらも、鬼気迫る熱い講演となりました。
水谷先生と言えば、生徒指導困難校と呼ばれる定時制高校で勤務をし、週末を中心に、夜の繁華街をパトロールしながら、少年少女に声かけをして回ることから「夜回り先生」と呼ばれています。
現在、関東以外でも、大阪で年間40回、名古屋で年間20回の夜回りを行っているとのことで、名古屋には、随分と足を運んでいられるようです。
数々の胸が痛くなるようなエピソードを語っていただきましたが、中でも、13年前に亡くなった「亜衣さん」のお話は、衝撃的でした。講演終了後に、その話を綴った「約束」という本を購入しました。
講演会では、いくつかの印象に残るフレーズがありました。以下に紹介させていただきます(文責・校長)
●(東日本大震災後にかけた言葉)人のために何かをしてごらん。人は誰かを幸せにするために生きているんだ。
●(会場の大人に、「普段ほめ言葉とそうでない言葉、どちらが多いですか」とたずねた後に)家庭は憩いの場でなければならない。
●母親は、子どもを産んだから母親ではない。「産んでくれてありがとう」と言われて、はじめて母親になる。教師は、「尊敬している」と言われて、はじめて教師になる。
●子どもに勉強させたかったら、大人が勉強をする。子どもに公共心を身につけさせたかったら、大人がゴミを拾う。道徳は、大人が生きていく中で見せて、育むもの。
●(夜型の人が多いことを問題視し)体を動かし、疲れさせることで、夜眠ることができる。健全な肉体にしか健全な精神は宿らない。
●いい文学との出会い、美しい自然との出会い、そういうものが消えている。すると、心が病んでいく。きれいな花を見て、きれいな自然にふれることが大切。
●どの子も温かい家庭、温かい学校で生きていきたいはず。
●登下校時に、多くの地域の大人で声かけをする「83運動」(8時の登校時・3時の下校時)をするとよい。声かけができる地域づくりをしていく必要がある。
●(戦時中、幼い子を守って亡くなっていった大人の話をし)生きているということは、人類の糸を紡いでいる。一つ一つの糸を守るために、亡くなっていった大人がいる。数え切れない大人から託されたものが命。命の尊さを忘れないでほしい。
演題の通り、「地域の大人の意識改革」の必要性が痛いほど伝わってきました。
病気と闘いながら、今なお、最前線で、一人でも多くの少年少女を救おうと動き続けている水谷先生。その姿に感服しますが、ぜひ、お体に気をつけられ、活動を継続してほしいと思います。
※下段写真は、講演会の案内リーフレットから引用しました