2016.6.10 時の記念日
- 公開日
- 2016/06/10
- 更新日
- 2016/06/10
校長室から
ちょうど、今日6月10日は「時の記念日」。
そんなタイミングに、昨日(6/9)付の中日新聞のコラム「中日春秋」は、興味深い文章でした。
ぜひ、一読いただき、「時間」について、子ども自身や家族で考えてみたいものです。
この十五年間で、値段が三分の一になったものがある。いくらデフレの世とはいえ、大変な値下がりだ。それは何か▼時間である。時計大手のシチズンホールディングスが、小学四〜六年の四百人を対象にした時間をめぐる意識調査で「もし時間をお金で買えるとしたら、一時間をいくらで買うか」を尋ねた。二〇〇一年の平均額は千二百九十四円だったのが、今年は四百九円。大変な急落だ▼では、もし一時間自由に使える時間があったら何に使うのか。三分の一の子どもが「ゲームをする」と答え、「友だちと遊ぶ」を大きく上回った▼ただ、おもしろいのは、「あなたにとって無駄な時間は」との質問に「ゲーム」と答えている子も、三分の一を超えていることだ。ゲームはおもしろいし、もっとやりたいけど、無駄なこととも思う。そんな葛藤を抱える子が多いのだろうか▼心理学者の故河合隼雄さんは『子どもの「時間」体験』と題した随筆で、葛藤と対決していくことこそが、子どもの時間に「厚み」をもたらすと書いた。テレビは見たいが、勉強はどうするか。その葛藤に、親がどう言うかではなく、自分自身で向き合っていく。それが大切なのだと▼能率ばかりを押し付けられ、自分で自分の時間をどう使うかを思い悩む余裕もない。時間の価格急落には、そんな背景があるのかもしれぬ。あすは「時の記念日」だ。
「時は金なり」ということわざがあります。「時間はお金と同様に貴重であり、大切に使わなければならない」という意味の戒めですが、「貴重な時間」がそんな安くなってしまっては「貴重な」「大切な」ものとして扱われるのか、心配なところです。
しかし、「まだまだ見捨てたものじゃないな」と思わせるのは、「おもしろいし、もっとやりたいけど、無駄なこととも思う」と、ゲームについて語っているくだりです。そんなゲームとどうつきあっていくか。きちんと時間をコントロールしながらつきあうことができれば、きっと、その他の様々なことも、考えて行動できるように思います。
無駄に時間を過ごしていないか。古北っ子の皆さんや、そのご家族で、この時期に考えてみてはいかがでしょうか。