2016.6.22 本を読まない学生
- 公開日
- 2016/06/22
- 更新日
- 2016/06/22
校長室から
昨日(6/21)付の和歌山県南紀の地方紙「紀伊民報」に掲載されている、コラム「水鉄砲」に以下のような文がありました。
ちょうど、本校は「あじさい読書週間」。タイミング的に、気になる内容だったので、紹介させていただきます。
先週末、大阪で出版関係の人たちと食卓を囲んだ。メンバーは作家2人と装丁家、出版社の編集者、有名書店の店長や店員。仲間内の集まりは、本の話で盛り上がった。▼僕が「最近の学生は恐ろしいほど本を読んでいませんね。読書歴は大半が中学校で終わりのようです」と切り出すと、店長が「面接をしても、漫画さえ読んだことがない子がいる」と答える。▼作家が割り込んで「最近は、まともな小説を書く作家が少なくなったんじゃないのかな」と半ば自嘲、半ば本気で口にする。「そういえば、漫画しか読まないのに趣味は読書と履歴書に書く子がいるそうですね」と誰かが口にする。▼学生時代、仲間内で「ドストエフスキーの罪と罰を読んで人生が変わった」「小説の魅力はボヴァリー夫人にある」「なんといっても太宰治。人間失格も斜陽も素晴らしい」なんて会話をしていた頃がはるか遠く、石器時代のように思えてくる。▼どうしてこんなことになったのか。一つの原因はインターネットの発達と普及だろう。ネットを検索すれば大抵の答えは出る。作品名を挙げれば概要も分かる。それで十分という信仰が広がったからではないか。▼だが、人間の能力は耕さなければ発達しない。読書で感受性を養い、思考力を鍛えてこそ、生きる力や喜びが見つかる。苦しみに耐えるよりどころもみつかる。パソコン操作ができればオーケーという学びでは、あまりにもったいない。(石)
「漫画」から学ぶことはあることは否定しませんが、やはり、「文字のみ」の本(もちろん、挿絵はOK)を読むことで、感性や想像力が研ぎ澄まされ、世界は広がります。
また、現実的なことを例に挙げれば、企業を経営する人や、収入が多い人は、読書を惜しまないというデータもあります。本を読むから企業経営ができるようになるのか、企業経営するから本を読むのかは分かりませんが、いずれにせよ、プラスに働いていることは間違いないようです。
漫画やネットでは得られないものがあるのが「読書」です。この「あじさい読書週間」で、読書の楽しさを味わい、引き続き、時間の許す限り、本に親しむ古北っ子になってくれるとうれしいのですが…。