学校日記

2016.7.18 海の日に考える

公開日
2016/07/18
更新日
2016/07/18

校長室から

今日(7/18)の中日新聞、朝日新聞の社説には、共に「海の日」にちなんだもので、どちらも海の環境について論説が掲載されています。

中日新聞社説には、「量子力学の祖、シュレディンガーが水の分子についてこんな説明をしています」と、以下のような文を引用しています(※以下中日新聞社説より引用)。



 −いま仮に、コップ一杯の水の分子にすべて目印をつけることができたとします。次にこのコップの中の水を海に注ぎ、海を十分にかきまわして、この目印のついた分子が七つの海にくまなく一様にゆきわたるようにしたとします。もし、そこで海の中のお好みの場所から水をコップ一杯汲(く)んだとすると、その中には目印をつけた分子が約一〇〇個みつかるはずです。(岩波文庫『生命とは何か−物理的にみた生細胞−』岡小天、鎮目恭夫訳)


ちなみに「水の分子」の大きさは「0.38ナノメートル」と言われますが、1ナノメートルは、「10億分の1メートル」であり、想像できないほど、小さなものです。
しかし、「ラーメンの残り汁をそのまま捨てると、きれいな水に戻すのに、1t(1000リットル)の水が必要」だと言われたりしますが、上記の水分子の話を聞くと、決して「ラーメンの汁」が無くなることはない、ということに気付かされます。

社説では「さて、海は広いのでしょうか、広くはないのでしょうか」と続け、現在、世界で問題となっている、大きさが五ミリを下回った「マイクロプラスチック」という海洋ごみについてつなげています。結びには、


 プラスチックのリサイクル率は14%と低く、毎年少なくとも八百万トン分が海に流出している−。ダボス会議で知られる世界経済フォーラムが今年初め、こんな報告書を発表しました。その上で、こう警告しています。
 −このままなら、世界の海に漂うプラスチックは二〇五〇年までに重量換算で魚の総量を超す。 


とあり、問題の深刻さを説いています。

朝日新聞も同様に「マイクロプラスチック」(記事中では「微小プラスチック」と表記)について触れ、「私たち一人ひとりが海を意識し、具体的に行動する。その先に、豊かな里海が見えてくるに違いない。」と結んでいます。

「海の恩恵に感謝する」ことを趣旨としている「海の日」は、こうしたことも考えるきっかけにもなります。
古北っ子の皆さんも、小学生のうちから、そんな意識がもてるとすばらしいですね。

(※各社社説はこちら↓)
中日新聞社説
朝日新聞社説