学校日記

2016.9.8 起立読み

公開日
2016/09/08
更新日
2016/09/08

校長室から

1年生の国語の授業のワンシーンです。3枚の写真は、次のような指導です。

まず、全員座って、教師の範読にあわせて音読をします(上段)。
次に、全員がその場で起立して音読をします(中段)。
3回読んだら座ります(下段)。

たったこれだけのことですが、このわずかな時間に、以下のような多くの意味が隠されています。

●範読にあわせて読むことで読み方を確認する
●起立することで、動きが加わり、集中力を欠きそうになっていた児童がリセットできる
●3回という回数に意欲が加わる
●黙読でなく、音読にすることで、読みや回数をごまかすことが防げる
●座った児童、立って読んでいる児童を見れば、その進度が分かる
●全員が参加できる

というものです。特に、低学年の場合、45分間の授業にメリハリをつけさせ集中させるために、こういった手法をとることがあります。

大きな声を出して読ませることが目的ではなく、自分のトーンで、あわてず丁寧に読むことが大切です。
もちろん、3回適当に読めばいいわけではなく、きちんと読むことが大切です。教師は、読んでいる表情や読み方をこの間に確認して回ります。
時間がかかった児童には、「最後まできちんと読めたね」と言って、きちんとやりきったことを認めます。

また、一説によると、立って読むと「役者」になれるとも言われます。声優のアフレコや、スピーチコンクールが立って行われるのは、そのような理由とも言われます。そんなところから、学年があがると、起立をして読むことに対して、こうした別の効果が加わります。

児童を集中させるのが上手な教師は、こうした手法をいくつももっています。