2016.10.18 そろばん
- 公開日
- 2016/10/18
- 更新日
- 2016/10/18
校長室から
現在、3・4年生では、算数の授業で「そろばん」を学習します。
私が小学生の頃は、自分も含め、多くの児童がそろばん教室に通っていたため、そろばんの授業も慣れた手つきの児童が多かったように思いますが、現在は、授業を見ていると、そんな児童が随分と減ったように思います。
実は、「そろばん教室」は、昭和61年には、13,000件を超えていたのが、現在では7,000件を切るといった状況にあるようです(総務省事業所統計より)。
しかし、ちょうど当時の「子ども(0〜14歳)の人口」が、昭和50年には、全人口の24.3%だったのに対し、平成27年では12.7%となっています。
ということは、人口が半分に減少したのと同様な傾向で、そろばん教室も約半分に減っているという解釈ができそうです。
「人口減に伴い、教室数が減っただけか…」と、思いがちですが、そうではなく、商工会議所が主催する検定試験の受験者数で比較すると、現在は、そろばんを習う人口が、ピーク時の昭和50年代から比べて「14分の1」になっているのだというのですから驚きです。
学校の算数の授業を見ていて「慣れた手つきの児童」が少なかったのは、やはり、習っている割合そのものが減っていたのです。
そろばんに慣れると、算数の計算をする上で、いくつかのメリットがあるように思います。
「5玉」があるそろばんは、5以上の一ケタの数字を「5」と「○」という組合せのイメージがつけやすくなります。桁数の増減にあわせて、隣の位の玉をはじくことから、繰り上がり・繰り下がりのイメージもつけやすくなります。これらから、補数のイメージがもちやすくなり、計算力がついていくのです。
そろばんを習わない児童が大人になれば、おそらく、その子どもが習う確率は高くはないと思われます。となると、日本のそろばん文化の未来は…?
江戸時代から使われてきた「読み書きそろばん」というフレーズは、将来「読み書き○○」と、他の言葉に変わってしまうかもしれないですね。個人的には、そんな未来が、少し心配になったりするのですが…。