2017.5.16 図画工作の「鑑賞」について
- 公開日
- 2017/05/16
- 更新日
- 2017/05/16
校長室から
上の2枚の写真は、図画工作(図工)の時間に、「鑑賞」を行っている場面です。
図工の授業では、作品を作るばかりでなく、こうした鑑賞も計画的に実施しています。
小学校の図工の授業では、「児童が感じたことや想像したことなどを造形的に表す」ことを目的とした「表現」と、「作品などからそのよさや美しさなどを感じ取り見方を深める」ことを目的とした「鑑賞」の、二つの活動の柱があります。
この「表現」と「鑑賞」は、独立しているのではなく、互いに働きかけ合いながら、互いが高まっていく活動として、図工の教科の目標を実現するために学習を重ねていくものです。
この時の「鍵」となるのが、「感性を働かせながら」表現や鑑賞の活動を行うというものです。視覚や触覚などの様々な感覚を働かせながら、自由に発想したり、表現したり、美しさを感じ取ったりすることを、学習指導要領では求めています。
ところで、この「鑑賞」の奥が深いのは、「道徳教育」が、「各教科の特質に応じて、児童の発達段階を考慮して、適切な指導を行わなければならない」としていることから、「図工」を通して、道徳との関連を図り、道徳的な意識の高揚を図ることも求められています。
具体的には、作品鑑賞において一人ずつちがう感じ方や考え方を認め合うことで「他者理解」をしたり、我が国の伝統的な造形や美術を鑑賞することで、我が国の「文化や伝統の理解」につなげたり、外国の作品鑑賞をすることで「異文化理解」につなげたり、人権週間、環境問題のポスター作成などを通して、「人権意識の向上」「環境問題の関心の向上」などを図ったりするものです。
「すごーい!」「うまーい!」「きれー!」だけでなく、そこから深掘りして、鑑賞することが大切なのです。
以上から、作品を作るだけではない「図工」の授業について、ご理解いただけたかと思います。