2017.8.11 夏の甲子園大会歌
- 公開日
- 2017/08/11
- 更新日
- 2017/08/11
校長室から
甲子園球場では、高校野球の熱戦が連日続いています。残念ながら、本日、愛知県代表の中京大中京高校は広島県代表の広陵高校に敗れてしまいましたが、最終回の追い上げは、「もしかして、昨年の東邦高校と同じように…」と思わせるような展開でした。
さて、日本の夏の風物詩でもある、この「全国高等学校野球選手権大会」に、「栄冠は君に輝く」という大会歌があるのは、ご存じの通りかと思います。
その曲の作詞をされた加賀大介さんのエピソードが、8月8日(火)付の中日新聞夕刊内のコラム「スポーツひと・とき」に載っていたので、その一部を引用し、掲載させていただきます。
(前略) 1948年、学制が中等学校から新制高等学校に切り替わるのを機に主催者が大会歌を公募、5000を超える応募作品の中から選ばれたのが「栄冠は君に輝く」だった。(中略)
加賀は球児だった。手作りのボール、グラブが宝物だった。だが、家庭の事情で当時の中等学校へは進まず、地元で工員になった。楽しみながら続けていた草野球で悪夢に襲われる。右脚のケガがもとで、やがて膝から下を切断する。今夏も全国から集う球児たちと変わらない16歳の時だった。野球への夢断ちがたく、加賀は少年時代、球を追った近くの浜小学校(プロで活躍した松井秀喜の母校でもある)で子どもたちの野球を眺めていたのだという。
73年、58歳で没したが、なぜかその間一度も甲子園を訪れたことはなかったという。二番の歌詞は「風を打ち 大地を蹴りて」とうたう。もはや自分が果たせない野球への思いを、少年たちに託したのだった。(後略)
このエピソードは、記事で初めて知りました。この二番の歌詞は「悔ゆるなき 白熱の力ぞ業(わざ)ぞ 若人よ いざ 一球に一打をかけて 青春の讃歌をつづれ ああ 栄冠は君に輝く」と続きます。確かに、三番まである詩の中で、加賀さんの思いが最もあふれているような気がしました。
明日以降も、熱戦が繰り広げられることでしょう。野球を続けられなくなってしまった加賀さんの思いにも存分に応え、大地を蹴り、悔いることなく、一球に思いをのせて、青春の讃歌を綴ってほしいものです。がんばれ、高校球児!
(※加賀大介さんに関するWikipediaはこちら↓)
■加賀大介-Wikipedia