学校日記

2017.9.4 正常性バイアス

公開日
2017/09/04
更新日
2017/09/04

校長室から

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「防災の日」である9月1日付の北海道新聞のコラム「卓上四季」に「正常性バイアス」という、おそらく、多くの人が感じたことがある心理に対しての記述がありました。

これから台風の季節であり、東南海沖で発生する恐れのある大地震に備えて、私たちの脳と心に、少し警告を与えてくれそうなものです。ここに引用し、掲載させていただきます。



 心理学用語に「正常性バイアス」という言葉がある。危険や予期せぬ異常に対して、つい「大丈夫」「大したことはない」と過小評価してしまう心の働きのことだ。何か起こるたびに反応していたら精神的に疲弊してしまう。あえて鈍感になることで、心を守る防御態勢である▼ところが、このせいで災害時に避難のタイミングを逸してしまうことがある。逃げなければならないのに、脳が「まだ大丈夫」とささやき、楽観的な方向に解釈してしまうからだ。災害心理学者の広瀬弘忠さんが、自著「きちんと逃げる。」で説明していた▼確かに東日本大震災では、誰もが「あんな大津波が来るとは」と驚いた。昨年8月の連続台風で道内各地に大きな被害が出た際も、「まさか」「こんなことになるとは」との声が上がった▼では、どう対処すれば良いのか。万が一を想定し、訓練を積み重ねるしかない。落ち着いて行動できるよう、普段から避難経路や防災用品を確認しておきたい。「想定外」を「想定内」にする取り組みが欠かせない▼米南部を襲った大型ハリケーンの死者は、30人以上に上った。気象当局が「史上前例のない規模」と、国民に注意を呼び掛けていたにもかかわらずだ。正常性バイアスが働いたのかもしれない▼きょうは「防災の日」。折から、台風厄日として知られる「二百十日」でもある。今も昔も、備えあれば憂いなしだ。


「正常性バイアス」を解除して行動することの大切さを改めて思わされました。同時に、文中にある「『想定外』を『想定内』にする取り組みが欠かせない」というフレーズが印象的です。

8月26日に拝聴した講演会では、講師の佐藤敏郎さんが、「発生しそうな様々なハプニングを想定して、訓練を行う必要がある」とおっしゃっていましたが、まさにこれからの避難訓練では「『想定外』を『想定内』にする取り組み」の必要性を感じたところです。

学校であれば児童や職員から、家庭であれば家族から、犠牲者を「0」にするためにも、心がけておきたいコラムの内容ですね。

(※コラム記事はこちら↓)
正常性バイアス:どうしん電子版(北海道新聞)