2017.10.30 読書週間
- 公開日
- 2017/10/30
- 更新日
- 2017/10/30
校長室から
季節は「読書の秋」と言うことから、ご存じの方も多いと思いますが、文化の日を中心にした2週間(10月27日〜11月9日)を「読書週間」に、読書週間が始まる10月27日を「文字・活字文化の日」と制定しています。
そんな今年の読書週間のポスターは、右の通り。「ホンに恋する季節です!」というキャッチコピーに、積み上げられた本が「ハート型」をしており、堅苦しい雰囲気ではなく、親しみやすいものになっています。
さて、そんな中、10月27日付の毎日新聞のコラム「余録」には、読書週間の初日に当たり、読書にまつわる文が書かれていました。ここに、引用させていただきます。
明治初めに東京外国語学校のロシア語教師だったメーチニコフは、休暇の大部分を「この街のどこでも見かけるおびただしい数の書店で過ごすことになった」と記している(「回想の明治維新」岩波文庫)▲書店ではよく若い娘が熱心に本を読んでいる姿を見た。好奇の目で見ていると、娘たちは笑いながら大衆小説本を見せてくれた。ロシア人には庶民の娘が本を読む姿が珍しかったのだろう。彼は人足や召使(めしつかい)たちについても書いている▲「彼らがみんな例外なく何冊もの手垢(てあか)にまみれた本を持っており、暇さえあればむさぼり読んでいた。彼らは仕事中は本を着物の袖やふところ、下帯つまり日本人が未開人よろしく腰に巻いている手ぬぐいの折り目にしまっている」▲少し前の江戸には貸本屋が800軒もあったから、記述はあながち誇張ともいえまい。その本好きで外国人を驚かせたご先祖をもつ私たちである。なのに本を読まない人の割合が書籍・雑誌双方で読む人より多かったとの調査結果だ▲小社の第71回読書世論調査である。不読率が読書率を上回ったのは書籍で11年ぶり、雑誌で5年ぶりという。これは一時的現象か、それとも活字離れが一段進んだのか。気になるのは、マンガを読む若い世代も減ってきていることだ▲日本の高い識字率よりメーチニコフを驚かせたのは、明治の庶民が読書で得られる教養や文化に心底まじめな敬意を抱いていたことだった。さて、日本人はどう変わったのか、約150年後の読書週間である。
インターネットが普及している現代は、状況が150年前と異なりつつあるようです。しかし、やはり、昔と変わらず、読書から得ることができる知識は多いように思います。
ちょうど、本校では、そんなタイミングの本日「もみじ読書集会」と銘打って、図書委員会による「他読賞」の表彰や、絵本の読み聞かせが行われました。読書の楽しさを知ってもらえれば…という、図書委員会の想いが詰まった集会でした。
読み慣れていない習慣の古北っ子がいたら、読みやすい本や、興味のある本を2〜3冊続けて、読了していくことをおすすめします。すると、案外、継続して、読書をするようになるものです。
「どくしょのあきはつづきます すてきな本をみつけてくださいね」のメッセージで締めくくられた集会でした。
ぜひ、ご家庭でも、お子様に読書をすすめていただければ幸いです。