2018.3.14 分数の学習の変遷
- 公開日
- 2018/03/14
- 更新日
- 2018/03/14
校長室から
現在、2年生の算数では、「分数」の学習をしています。紙テープや折り紙を折るなどして、分数の基礎を学んでいます。
実は、この「分数」の学習は、学習指導要領が変わる度に、どの学年で履修するか、議論されてきた単元です。
特に、「分数を知ること」「分数の加法・減法を知る・用いること」については、これまで、以下のような変遷がありました。(※年号は、改訂年)
■平成元年
3年 簡単な場合において、分数について知り、加法及び減法ができることを知る
4年 分数について加法及び減法を用いることができるようにする
■平成10年
4年 分数の意味や表し方について理解できるようにする
5年 分数の加法及び減法の意味について理解し、それらの計算の仕方を考え、用いることができるようにする
■平成20年
2年 1/2,1/4など簡単な分数について知る
3年 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,計算の仕方を考える
4年 同分母の分数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができる
■平成29年
2年 1/2,1/3など簡単な分数について知る
3年 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,それらの計算ができることを知る
4年 同分母の分数の加法及び減法の計算ができる
お母さん、お父さんの世代は、おそらく昭和52年と平成元年の改訂に当てはまると思いますが、3年生で分数を意味を知り、簡単な計算を学んできたことと思います。
ところが、その後の平成10年の改訂では、それまで3年生で実施していた「分数の加法・減法」が、2学年上級の5年生になり、いわゆる「ゆとり教育」という形で話題を呼びました。
すると、次の平成20年の改訂では、分数の登場が、「簡単な」とは言いつつも、2年生まで早まることになり、計算は、3年生に戻りました。
特に、「生きる力」がキーワードになったこの改訂では、3年生で「分数でも数の大きさを比べたり計算したりできるかどうかを考えるとともに,分数を日常生活に生かす」という生活に役立てられるような思考を身につけることを求めています。
さらに、次の平成29年の改訂では、「簡単」という扱いが「1/4 → 1/3」となっています。
今回の改訂では、様々な知識について、主体的で、対話的に、そして深く学ぶことが求められるため、細かなところでワンラックアップの知識を学ぶものになっています。
分数や小数は、この後の算数・数学の思考を広め、深めるための大切な数の概念です。ぜひ、しっかり学びとってほしいと思います。