【校長日記】討論の授業
- 公開日
- 2015/05/08
- 更新日
- 2015/05/08
校長日記
今日は、6年2組の討論の授業を参観しました。
討論の訓練にディベート(狭義)があります。
一般に、競技形式で行うために、競技ディベートとも呼ばれます。
その目的は、議論の能力を向上させるためです。
日本人は、日本語の曖昧さもあり、議論が苦手と言われています。
確かに、英語では「Yes」「No」で答えることを、日本語では多彩な表現が可能です。それが、時として、意味不明になることもあるわけです。
現行の学習指導要領から、中学校社会科の公民的な見方・考え方を次のように説明されました。
政治的、経済的な諸事情をとらえる概念的な枠組み。対立を克服して合意を図る。その判断基準としての効率と公正が現代社会をとらえる基本概念。
ここでいう「対立を克服しての合意形成」が、社会で生きていくには必要なのです。
そのためには、物事を分析する能力、状況にあわせて判断する能力、自分の主張を論理的に構成する能力などが必要となります。
さらには、議論をするために必要となる知的能力や意思決定能力も必要です。
そのために行うのが、競技ディベートなのです。あくまでも訓練です。
訓練なので、肯定派・否定派は、あえて個人の意思に関係なく、抽選で決める場合が普通です。
「相手を論破するための競技」ではなく、「対立を克服しての合意形成」の訓練なのです。
今日の授業は、おおよそディベート形式の討論会でした。
お題は「宿題は必要か?」
子どもたちは、「ためになる」「時間がない」「健康が大切」などの視点で意見を出し合っていました。
基本的に、「Yes」「No」の発想だったために、歩み寄ることはなかったのですが、実際の社会では、どちらとも決めかねる問題は多々あります。
相手の意見を尊重しながらも、全体の効率・公正を考えて合意形成をする場面がきっと出てくるでしょう。
そのようなときのために、こうしたトレーニングが役に立てばと思います。