学校日記

【校長日記】 徒競走はなぜタイム別に走るのか?

公開日
2015/09/24
更新日
2015/09/24

校長日記

 26日に予定されている運動会では、各学年とも競走種目があります。6年生のリレーを除いて、一斉にスタートするいわゆる徒競走形式です。
 質問をいただきました。
 「なぜ似たようなタイムごとにスタートするのか?」という主旨のものです。
 本当は速いのに、速いチームで走るので最下位になってしまう。かつてのように背の順でよいのではないかというご意見も付記されていました。

 ご指摘のとおり、1年生以外は、学級ごとにタイム順に並べて、同じような順位の人といっしょに組を作ります。したがって、近いタイムの人と走ることになります。
 これが背の順になると、速い子もいればそうでない子もおり、同じ組の中で大きな差が開きます。

 それぞれ意味はあると思いますが、本校2年生以上は前者を選択しています。(1年生は、いつもと違う並び方は混乱するので背の順を採用しています。)
 
運動会に向けて、私は「真剣」というキーワードを子どもたちに示しました。徒競走でいうなら、持てる力を全て発揮して、最後まで走りきることです。ベストを尽くすといいますね。

 順位は確かに大切です。社会では、順位がものをいうことも多々あります。
 しかし、私は、個々がそれぞれの力を発揮してベストを尽くす方がはるかに重要だと思っています。さらに、義務教育段階では、特にそうあるべきだと思っています。

 だとしたら、徒競走ではどうしたらよいのでしょうか。
 徒競走で大きく差が開くと、前を走る子も、後ろを走る子も、どうしても全力を出しづらくなります。
 しかし、同じような力の子と走ると、全力を出し切るようになります。それは、人の負けたくないという本能を刺激するからです。
 
私は、勝ったからといって誉めるとは限りません。勝ち負けに関係なく、全力を出しきったことに対して誉めます。そこに教育的な価値を置いているからです。

 どうかご家庭でも、たとえ順位がよくなかったとしても、全力を出してがんばっていた姿が見られたのなら、ぜひおおいに誉めていいただけたらと思います。 
 
 一昨日には、「小学校学習指導要領解説 特別活動」を紹介しました。 そこには、「いたずらに勝負にこだわることなく」と書かれています。文部科学省も気にしているのでしょう。
 私は、「勝負」にはこだわることを否定しているわけではなく、それ以上に「真剣」「全力」にこだわりたいと思っています。

 26日の運動会では、そんな姿がお見せできればと思います。