学校日記

【校長日記】 古知野西小学校 研究中間報告参観−2−

公開日
2016/02/14
更新日
2016/02/14

校長日記

一昨日、古知野西小学校 研究中間報告会 を参観しました。
テーマは、自分の考えを仲間に伝え、学び合う児童の育成
− アクティブ・ラーニングを基にした授業デザインの工夫 −
です。

私の個人的な感想を紹介します。

実は、この研究テーマを聞いた時に、「研究はやりにくいテーマだ。しかし、実践はやりやすい。」と感じました。
科学としての研究は、テーマがあり、仮説があり、そのための手立てがあり、それを検証していきます。
しかし、「アクティブ・ラーニング」はいろいろな方法の総称です。その範囲は幅広く、子供たちが生き生きと取り組んでいるものはすべてアクティブ・ラーニングです。

それでは研究らしい研究にはなりませんが、わたしは大学附属の学校でなければ、それでよいと思っています。
目の前にいる子供たちが、生き生きと学んでいればよいのです。

時折、大学の先生が入って、間口の狭い手法で研究に取り組む学校があります。しかし、たいていは、研究が終わるとなくなってしまいます。
長続きするには、シンプルで幅広いテーマが良いのです。

今回の古知野西小学校も、授業を見ているだけでは、何をしようとしているのか見えにくい内容でした。理論から出る統一された何かが見えないのです。
それが「アクティブ・ラーニング」です。
いろいろな方法の中から、目の前の子供たちと教材に最もふさわしい方法を選択するのがアクティブ・ラーニング。むしろ、型があっては趣旨に反します。

発表を聞くと、「習得」を国語科で行い、「活用」を生活科・社会科で行うというものでした。前者がアクティブ・ラーニングの基礎、後者がアクティブ・ラーニングと位置付けられます。
なるほど、生活科・社会科は、どこも工夫されていました。アクティブ・ラーニングといえるでしょう。特に、高学年の社会科は、個性的で、すばらしい授業が行われていました。
国語でも、例えば2年生の授業など、思わず見入ってしまうものがありました。

これからと感じたのが学びスタイルです。
要項にあるチェック表を見ながら授業を見ていたのですが、「6 聞くときは、話し手に対して体を向けて聞いている」「8 話すときは、聞き手全体を見て話ている」「10 話すときは、意見をつなぐことを意識して話している」は、まだまだ道半ばだと感じました。出来ている学級もありましたが・・・・。

6,8は形の問題ではありません。
私が見る限り、「児童の心はまだ教師だけに向いている」「教師の心が発言している子に向いている」学級が多いと感じました。
「心を友達に向ける」「教師は話を聞く子に心を向ける」ことができないと、10はできません。それでは、テーマの「学び合う児童の育成」はできません。
この「6・8・10」は、明治の学制から培われた教師による一斉指導の転換なのです。

ICT活用は、今後間違いなく現場にやってきます。具体的な姿をいくつか見ることができました。6年生で見たフラッシュカード型、他のクラスで見た資料提示型など、有効に活用されていました。

秋の本発表でどこまで深まった姿を見ることができるか、楽しみです。