学校日記

【校長日記】 古知野西小学校 研究発表会

公開日
2016/10/30
更新日
2016/10/31

校長日記

 28日(金)、江南市立古知野西小学校の研究発表会へ行って来ました。
 その個人的な感想を記録しておきます。

子どもたちの心の距離が近い
 古知野西小学校のキーワードは、「9年間」です。
 西部中学校には、古知野南小学校区の赤童子からも通学しますが、大半は古西小の人間関係がそのまま維持されて進学していきます。9年間、集団が維持されるのです。
 これはメリット・デメリットの両方を兼ね備えます。もし、人間関係で致命的な関係を負うと、中学校卒業まで響くからです。
 しかし、今回見た授業では、グループの活動が、どの学級も自然にできていました。これは、スマイルアップ研究グループの成果でしょう。

 丹葉地区は、全国的に見ればQ−Uの先進地です。江南市も公費で予算化され、効果的に使われています。丹葉地区の学校で生徒指導上の問題が減少したのは、Q−Uの普及も少なからず影響していると思います。


学びスタイルが生きている
 全体会で紹介のあった「学び集会」の成果が具現化されていました。
 社会科では、複数の資料を指示棒でつなぎながら論を組み立てる姿が見られました。
 自然に話し手を見て共感しながら聞く、みんなを見ながら話すというスタンダードは。定着していました。1年生が、しっかりやろうとする姿は印象的でした。

 学びスタイルは、「いただきます」のようなもの。何も考えずに、自然にできて力になるのです。定着すれば、授業が崩れることはありません。  
 西部中学校でも、ぜひ同じ方向で進んでくれればと思います。

 
授業のデザインが共有されている
 毎年2校ずつ丹葉地区の研究校を見ます。それ以外を含めても、年間、数多くの授業を見ています。
 それを踏まえても、今回の授業はかなり上質でした。教師の語り(口調・声量・表情・間)、児童とのやりとり(問い・待ち)、立ち位置、目線など、みなさんが高いレベルでした。
 教材も、特に発表会だからと奇をてらったものはなく、オーソドックスなものでした。それでよいと思います。
 例えば、社会科でも、授業イメージが揃っていました。いわゆる「長良流」としましょう。ある共通のモデルに合わせることは、とても早道であり、有効な手法だと思っています。
 授業理論・それに伴う授業スタイルは、世の中にはたくさんあります。教師によって全く異なる授業スタイルは、子どもにとって迷惑千万。そうではなく、そろえるところはそろえて、教材研究で個性を発揮すべきです。取り上げるネタ、発問、資料、の収集・選択・開発に時間をかけるべきです。その方が、教師にとってずっと楽です。
 その意味で、今回のように授業スタイルが共有されていると、誰もがやりやすくなります。

意見がつながっているか
 昨日は、岐阜市立長良東小学校で1日見ていました。
 古知野西小学校のスタイルと(当然)似ているのですが、違うとすると意見のつなぎ方です。
 長良東小学校は、教師の意図的指名です。形は手を挙げている児童を指名しているのですが、実は、教師は児童が何をいうかほぼ分かっています。そのために、意見がつながるように、時には反対意見が出るように、有機的につないでいきます。児童も、「○○さんに似ていて、」「○○さんと違って、」のように、前の意見との立場の違いを述べてから発言します。だから聞いているのです。

 古知野西小学校は、相互指名が多かったように思います。相互指名は、形は美しいのですが大きな問題があります。意見の中身がつながらず、単発の発表会になる。手を挙げないけど意見を言ってほしい子が言えない。簡単に言えば、全員参加型が難しいのです。
 そうでなくても、前の意見に関係なく自分の意見を言っているという感がぬぐえませんでした。
 6年1組の社会科の授業では、最後の方で先生が意見をつなごうとしていました。それが、子ども同士でも自然にできるとさらにすばらしいと思いました。


 丹葉地区の学校のレベルは、20年前を思うと、大きく向上しています。
 これからも、こうした機会を利用して高め合っていきましょう。

 全体会での真島先生の講演は刺激的でしたね。

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