学校日記

2014.12.9 超○○

公開日
2014/12/09
更新日
2014/12/09

校長室から

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四方山話を一つ。

問題です。正しい使い方を以下から選びなさい。
1 超むかついた
2 超だめな人
3 超満員
4 超信じられない
5 超かっこいい

正解は「3」の「超満員」です。この問題は、1997年のある私立中学の入試問題として出題されたのだそうです。
今では、違和感がないため、どれも正解にしたくなる気が・・・。正しい日本語の使い方を心がけている人は、認めたくない人もいると思いますが、1〜5のどれもが普通に使われています。

NHKが出版する「放送研究と調査」(10月号)内に「超行く!」と題した興味深いコラムが掲載されていたので、その内容について触れたいと思います。

そもそも、「超」は、名詞の前に付くのが一般的で「超能力」「超音波」などと使用されていました。問題の正解の通りです。すると、「超満員」「超特売」などと徐々に様々な言葉に「超」をつけるようになったため、昭和の戦前にも、その使い方について「常軌を逸する言語現象」などと、批判が起きたのだそうです。現在もよくある「乱れた使い方に警鐘」的なもので、昔にもあったことに驚きます。
そんな経緯があっての現在。名詞でさえ批判されていたのに、「形容詞」「動詞」にも付くようになり、「超楽しい」「超むかつく」などと使われるように・・・。戦前に批判した人がこの使い方を知ったら怒りを通り越して気絶するかもしれません(笑)。

しかし今では、「ケーキ食べる?」「超食べる!」など、さらに使い方は自由度を増しています。先の「超楽しい」が「はなはだ楽しい」と言い換えることができるのに対し、「超食べる」は、いったい・・・?コラム内では「『なにがあってもあたしは絶対にケーキを食べるっ』という情念が込められている(のかも)」と説いています。この先はどんな使われ方になるのでしょうか。すでに、商品名では「超ウコン」「超追いがつお」なんてものもあり、道路には写真のような表記もありますが・・・。

学校では、正しい日本語を教える使命がありますが、私自身、かなり怪しいものです。その点、民放に比べ、NHKでは適切に言葉が使われており、勉強になります。私はかなり学び続ける必要があるように思います・・・。