2015.2.4 普通ではできない経験ができたから
- 公開日
- 2015/02/04
- 更新日
- 2015/02/04
校長室から
本日(2/4)付の中日新聞の県内版にあるコラム「ペーパーナイフ」に以下の記事がありました。
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あの時、走り出した自分に向かって大会関係者が「待って」と叫ぶのは聞こえていた。「でも止まれなかったんです。少しでも早くたすきをつながなくちゃって」。
広島県で18日に開かれた全国都道府県対抗男子駅伝競走大会で、中継地点でたすきを投げ渡したとして失格になった県代表。大会の4日後、2区走者として「たすきを受け取った側」の江南市立古知野中学校の蝦夷森章太君(15)が当時のことを語ってくれた。
「投げたことは分かったか」と問うと「うーん」と言葉を濁す。中継地点直前で倒れた高校生の1区走者に「あと少し」と声を掛け続けたことは覚えているが、「とにかく焦っていたので」。
自身も遅れを取り戻そうと前半にペースを上げすぎて、後半に失速。不本意な走りで3区走者にたすきをつないだ。失格と知ったのは、ゴール地点に向かうバスの中。周囲は「おまえのせいじゃない」と声を掛けてくれたが、悔しさと申し訳なさが込み上げた。
だけど、「今は前向きに捉えています。普通の中学生ではできない経験ができたから」。春からは高校に進学し、長距離を続ける。苦い思い出は、今後の競技人生の糧になる。
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中継所まで500mの地点で、愛知県はトップ集団に位置しており、そこまではプラン通り。そしてその後は、2区の蝦夷森君、3区の大石選手でトップに立つという算段だったようです。
改めて、何が起こるか分からないのがスポーツだと思いました。このことは誰も責めることはできません。そんな中、蝦夷森君は「今は前向きに捉えています」と言うところが立派です。出場したことも、失格というつらい経験をしたことも、全てが今後に生きると確信しているからでしょう。中学生でこのひと言が発せられることに、ただただ感心します。
私たちは「経験すること」の大切さを子ども達に伝えていく必要を改めて感じました。そして、蝦夷森君の今後の活躍を心から願っています。「がんばってください!」。