2015.5.7 ○(まる)付け法
- 公開日
- 2015/05/07
- 更新日
- 2015/05/08
校長室から
「○(まる)付け法」という、一つの指導技術があります。
問題を解いたり、ワークシートに自分の考えを記述したりしているときに、教師が子ども達に声をかけながら、赤ペンを持って、「○」を付けながら机間を回る指導法です。
これは、愛知教育大学大学院教授の志水廣先生が、その意味と価値について提唱し、広めたもので、活用する教師が多くいます。
基本的な考え方としては、全員に○をつけます。×はつけません。解答の全てが「○」でなくても、一部でもその過程や部分的なところに正解であれば、部分肯定をしながら、○をつけていきます。指導者が「いいですねぇ」「ここがいいねぇ」などと言いながら、○をつけていくのです。
○をもらうと子ども達は喜び、自分の解答に自信をもつことができます。その後の学習意欲も増進させます。
また、このことを行おうとすると、指導者が子ども達をきちんととらえなければなりません。特に、「良さ」を優先して見取ることになり、必然的に、子ども達を肯定的にとらえるようになります。また、瞬間的に評価をしなければならず、1秒も無駄にできません。
同じように「○付け」をする方法で、教卓で待ち構え、「できた人はもって来なさい」とする指導があります(問題数にもよりますが)。しかし、この方法は、できた子どもしか持って行けません。
できていない子どもに支援をしなければならないことを考えれば、教師が動いて、瞬間的に肯定的な評価をし、声かけすることで、安心し、脳はさらに「がんばろう」と思います。
子ども達が、意欲的に臨み、力をつけていくのが授業です。そんな授業を成立させる技術の一つに「○付け法」があります。